【芋焼酎】蔓無源氏(つるなしげんぢ)/国分酒造協業組合(鹿児島県霧島市国分川原)
蔵10社で協業組合を設立
国分酒造は1970年(昭和45年)、鹿児島県の国分・隼人地域で焼酎を作っていた蔵10社で協業組合を設立したのがはじまり。
1986年(昭和61年)に現在の川原渓谷沿いの自然豊かな山中に、蔵を移転しました。
代表銘柄の果「さつま国分」は地元のコガネセンガンを原材料にした柔らかい甘口の芋焼酎。
国分酒造の杜氏である安田宜久氏は、当社入社後、当時まだ活躍していた阿多杜氏である今城等氏に師事しています。
その後は、意欲的な焼酎造りを進めます。
今回紹介の銘柄の他、100%芋焼酎「いも麹芋」、自身の名前をネーミングした「安田」などをリリース。
焼酎業界の耳目を集めました。
原材料は絶滅品種
今回の銘柄の「蔓無源氏(つるなしげんぢ)」は、原材料そのもののネーミング。
ただ、ネーミングにするほどの理由があります。
蔓無源氏というのは100年以上も前の絶滅品種。
安田宜久氏が、試験場から10本の苗を分けてもらい、復活させることに成功したというこだわりの芋なのです。
蔓無源氏の見た目は、馴染のある赤い皮なのですが、割ってみると中は濃いオレンジ色。
裏ごししたイーストのように、ねっとりしているのが特徴的です。
100年以上も前の絶滅品種ゆえに、しばらく試行錯誤は続いたようです。
2005年(平成17年)の初仕込み時には、使用割合は38%程度で、残りはコガネセンガン。
4年目の2008(平成20年)に念願の全量使用となります。
ブランデーを思わせる深い香り
麹を長時間熟成させながら造る、老麹(ひねりこうじ)を使用するのもこの銘柄の特徴。
また、地下100メートルからくみ上げた清涼な地下水を使用しています。
飲み方のおすすめは、お湯割りです。
グラスに注ぐと、ブランデーを思わせる深い香りが立ちます。
“琥珀色”でないのが不思議に思えます。グラスを回すと粘度も感じます。
口に含むと、熟成由来のバニラやヘーゼルナッツの香り、ピーチのようなフルーティーさも。
ふくらみのある芋の風味は穏やかで、余韻も心地よい。
合わせる料理は肉料理が良いと思います。
鴨や牛などの赤身の肉を、濃いめのソースで合わせるのがおススメ。
〈銘柄データ〉
【蔓無源氏(つるなしげんぢ)】
国分酒造協業組合/鹿児島県霧島市国分川原1750
主原料/芋(蔓無源氏)
麹菌/黒麹(米)
度数/26度
蒸留/常圧蒸留
この記事を書いた人
SHOCHU PRESS編集部
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