黒糖焼酎は、華やかな甘みやカラメルのような風味が人気の焼酎。
その由来は、原料であるサトウキビからきています。
サトウキビが原料のお酒といえば、ラム酒も有名ですよね。
キューバやジャマイカといった中米で造られる世界的な蒸留酒。
原料が同じなので、味わいや香りの共通点が多いといわれています。
今回は、そんな黒糖焼酎ながら、ラム酒を感じさせる奄美群島のお酒「王紀」をご紹介します。
徳之島の黒糖焼酎

黒糖焼酎「王紀」は、奄美群島にある徳之島で製造するお酒です。
奄美群島といっても、ひとつひとつの島はそれぞれの個性があり、言葉や習俗、食べ物など島ごとに違います。
徳之島は、奄美群島の中でも奄美大島に次ぐ大きさで、農業が基幹産業です。
サトウキビ栽培も盛んで、サトウキビから造られた黒糖は質が良く、製菓原料にも使われているほど。
奄美群島の他の黒糖焼酎造りでは、沖縄や外国産のサトウキビが原料となっていますが、徳之島では自前調達が可能になっています。
そのため、徳之島の黒糖焼酎の特徴として、仕込みで使う黒糖の量が多いことが挙げられます。
黒糖焼酎とラム酒の違いとは

黒糖焼酎とラム酒は、同じサトウキビが原料です。
黒糖焼酎とラム酒の違いは、黒糖焼酎は糖化に必要な原料に”麹”が使われている一方、ラム酒はサトウキビだけが使われています。
サトウキビは他の食物と違い、お酒造りに必要な”糖化”という工程に他の原料の添加が不要で、そのまま酵母によってアルコールへと変わります。
そのように、サトウキビだけを原料に使用したお酒は、日本の酒税法上、「スピリッツ」として分類されます。
「スピリッツ」の酒税は高く設定されており、日常のお酒としては相応しくないほど高額になってしまいます。
そのため特例として、奄美郡島(喜界島・奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島)に限って麹を用いれば、焼酎として認めるとしたのが黒糖焼酎なのです。
実は、徳之島でも黒糖焼酎メーカーがラム酒を製造されています。
それ以外にも、国内では沖縄本島、大東島、小笠原などでもラム酒は製造されています。
奄美大島にしかわ酒造が製造元
黒糖焼酎「王紀」は、1990年創業の奄美大島にしかわ酒造が製造元です。
徳之島には、7社の黒糖焼酎メーカーがあり、うち5社(天川酒造、中村酒造、亀澤酒造場、高岡醸造、松永酒造場)は、共同ビン詰め会
社の奄美酒類に参加しています。
奄美大島にしかわ酒造は、協業非参加の黒糖焼酎メーカーで、有名な銘柄として「島のナポレオン」「あじや」を造っています。
黒糖焼酎「王紀」は、2004年に販売が開始された銘柄。
一次仕込はこだわりの甕壺仕込み、常圧蒸留を採用してコクのある深い味わいに仕上げています。
熟成期間の3年間を経て販売されます。
一般的な焼酎のアルコール度数は、25度ですが黒糖焼酎「王紀」は27度。
黒糖焼酎「王紀」造りを手がける熟練の黒瀬杜氏が、絶対の自信を持つおすすめの黒糖焼酎です。
長期熟成の黒糖焼酎

黒糖焼酎「王紀」は、3年間熟成された焼酎です。
黒糖焼酎を製造する奄美群島では、黒糖焼酎「王紀」のように長期熟成焼酎は珍しくありません。
中には、古酒を継ぎ足しながら20年以上も熟成させるという銘柄もあります。
焼酎は、ラム酒やウイスキーといった他の蒸留酒と比べて、熟成されることが少ないお酒。
例えば芋焼酎は、原料であるサツマイモを収穫した後、短期間で出荷されます。
蒸留したあとの荒々しいお酒を落ち着かせる”貯蔵”のみで、熟成されることは滅多にないのです。
その中で黒糖焼酎は、長期熟成されることが多いお酒。
黒糖焼酎に長期熟成酒が多いのは、沖縄が近いという地勢的な要因があります。
沖縄には「古酒(クース)」という3年以上貯蔵されたお酒があり、その影響を受けて奄美群島の黒糖焼酎には長期熟成酒が多いといわれています。
おすすめの飲み方
それでは、黒糖焼酎「王紀」のおすすめの飲み方を紹介します。
ストレート

黒糖焼酎「王紀」の特徴であるキャラメルのような香りは、まずはストレートで楽しみたいです。
小ぶりのブランデーグラスでゆっくり舌の上に転がすと、パイナップルなどのフルーツ香や千しブドウのようなドライフルーツ香が感じられるハズ。
1日が終わる夜のリラックスタイムに相応しい飲み方です。
ロック

黒糖焼酎「王紀」のトロッとした酒質は、ロックで飲むのもおすすめ。
氷が時間の経過とともに溶け出して、飲み心地に変化が訪れます。
舌の先で感じられるサトウキビの甘さは、ラム酒同様に杯を重ねるごとに増していきます。
お湯割り

黒糖焼酎「王紀」は、お湯割りで飲むのも正解。
まずは、ふわっと立ち上る米の蒸したような風味とふくよかな味わいが感じられます。
温められると、アルコール度数27度のメッセージが伝わる気がします。
炭酸割り

黒糖焼酎「王紀」のアルコール度数は、27度。その高い度数設定には、ソーダ割りがよく合います。
炭酸のシュワシュワ感がバランス良くマッチして、口の中に黒糖焼酎の甘さが広がります。
黄金比は1:3がおすすめです。
コーラ割り

黒糖焼酎「王紀」には、コーラ割りもよく合います。
ラム酒の定番カクテル「ラムコーク」のように、「王紀」の甘い風味と、コーラの爽やかな炭酸の刺激は絶妙な組み合わせ。
「王紀」の原料であるサトウキビは、コーラとの相性は良いのです。
レモンを加えると、爽快感がさらにアップします。

いかがでしたか?
黒糖焼酎「王紀」は、南国ムードたっぷりな徳之島で造られた黒糖焼酎。
3年間熟成したトロッとした酒質は、まさにラム酒のよう。
リラックスタイムのお酒としておすすめです。
黒糖焼酎「王紀」をみかけたら、購入してみてくださいね。


















































