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米焼酎でカクテルを作ろうの画像

米焼酎でカクテルを作ろう

空の青さと色づく木々のコントラストが眩しい秋になってきました。

先日都内の植物園に行きましたが、紅葉はもう少し。
一方銀杏並木で有名な場所は、そろそろ盛りの時期に入っています。

四季の移り変わりの速さに置いていかれないようにするのは、なかなか大変です。
毎年来る景色なのに、毎年必死で見に行かなければという、このかきたてられるような気持ちはなんなのでしょうね。

日本人に染みついた習性でしょうか。

お酒も氷をたくさん入れ、割りものでごくごくいただいていた時期から、濃度の濃いものを少しずつや、温かいものが体に心地よい季節ですね。

日本酒ならば、冷からぬる燗、濃いお酒類はカクテルにしてゆっくり味わうのも良いでしょう。

本格米焼酎の味わい

焼酎もじっくりと味わいたい晩秋。
カクテルにして楽しんでみてはいかがでしょうか。

本格米焼酎「かねます」

米どころ新潟から本格米焼酎を厳選しました。
新潟の日本酒の蔵元で、創業200年を迎える「金升酒造株式会社」が作る本格米焼酎「かねます」です。

【かねます】
「金升酒造株式会社/新潟県新発田市豊町1-9-30
主原料/米
麹/米麹
度数/25度
蒸留/減圧蒸留法

日本酒の蔵元ですが、自社精米焼酎も作っています。
「柱焼酎仕込製法」で醸した日本酒「朱ラベル」は、しっかりとした味わいで食中酒に適しており、人気商品です。

同社のHPによると、「柱焼酎仕込製法」とは、酒づくりの製法の途中で米焼酎を添加し、酒の旨味を強化する製法です。
江戸期に酒造りの過程で焼酎を使用することを「柱焼酎」と言われ、衛生の面からも一般的だったそうです。
なるほど、確かに理にかなっていますね。
本格米焼酎「かねます」の画像
カクテルを作ることを考慮して、ストレートでいただいてみます。

まずは、甘酒のような芳醇な香りに驚きます。
もろみを丁寧に清酒酵母で醸し、蒸留して仕上げるとこうなるのだと納得します。
まろやかで米の香り高く、ほんのりと舌に残る上品なアルコールの心地よさ。

美味しい日本酒をわざわざ蒸留して凝縮したような贅沢な焼酎です。
美しいカクテルを目指して作りましょう。

カクテル3選

カクテルを作るお酒には、ウォッカやジン・ラムなどのアルコール度数の高いものが使われることが多く、その強いアルコールをさまざまな材料で割ったり味や香りを加えます。
そこから比較すると、焼酎はアルコール度数20〜25度と低めです。

さらに米焼酎は焼酎の中でも比較的クセが少なく、原材料の米の風味を失わないようするには、焼酎をあまり薄めないほうが良いと思います。
そこをふまえて米焼酎カクテルを紹介します。

ウォツカやジンを使った既存のカクテルの代わりに本格米焼酎を使って、味わいがより深まるように私なりに試してみました。

米焼酎でカクテルを作ろうの画像

<ソルティドッグ>

カクテルの中ではスタンダードなカクテルです。

<材料>
米焼酎

フレッシュグレープフルーツジュースまたは搾り汁

グラスの縁を濡らし、粗塩をつけます。
平らなトレーやお皿に塩を平らに乗せて、グラスを逆さまにしてつけると、綺麗に塩がつきます。

よく冷やしたグレープフルーツジュースと米焼酎は同量ぐらいの比率でよく混ぜてグラスに注ぎ、氷を2.3個入れます。
最後に少量の焼酎を追い焼酎として、カクテルの表面に加えます。

米焼酎の香りが甘く、フルーティーにフワッと漂います。
ソルティドックの画像
ほろ苦い柑橘系のグレープフルーツジュースとなめらかな口あたりの米焼酎、唇についた塩の結晶が抜群のコンビネーションで流れ込んできます。
ソルティドッグとしてはグレープフルーツが少なめの感じがするかもしれませんが、グレープフルーツの独特の苦味が焼酎と程よくマッチし、爽やかでありながらコクがある大人のカクテルです。

米焼酎の味わいがぶれることなく存在しているカクテルとなっています。
是非お試しください。

ブランデー割

ブランデー割の画像

<材料>
米焼酎
ブランデー

焼酎に対してブランデーは、ティースプーン1杯を垂らす程度で十分です。
氷がじわっと溶けるのを楽しみながら、ロックで召し上がってみてください。

これはこのお酒を購入した地酒屋さんの店主に教えていただいた、香りを堪能するカクテル。
香りの変化を楽しみましょう。
ふわったと立ったブランデーの香りの後に、米焼酎の香りと味わいが引き立ちます。

ブランデーの甘い香りが最初に鼻腔をくすぐりますが、その後に米焼酎の味が舌に染みてきます。
同時にそのアルコールが口内を満たし、深みとコクのあるカクテルになります。

ブランデーの種類や個性にもよりますが、好みのブレンドを見つけてみてください。
ロックでも良いですが、これからの季節はお湯割りにしてより濃厚な香りの変化を堪能するのも良いと思います。

<コーヒクーラー>

コーヒクーラーの画像

<材料>
米焼酎
アイスコーヒー(無糖・濃いめ)
カルーア

ウオッカで作るコーヒークーラーの米焼酎バージョンです。
アイスコーヒーと焼酎は1:2ぐらいの比率で作ってみてください。

アイスコーヒーをグラスに入れて、氷を一つ入れたら、その上から静かに米焼酎を乗せるように注いでください。
最後にカルーアを、小さじ半分程度そっと垂らします。
アルコールがじわりとコーヒーに浸透してゆく様がロマンチックです。
カクテルは見た目も楽しみたいですね。

カルーアはコーヒーリキュールで甘みもあり、香りもより凝縮されています。

このカクテルは、最初にカルーアの甘い味と香りが漂ってきますが、その後から米焼酎の香りがより豊かに広がります。
そこに流れて混んでくる苦いブラックコーヒーは、ちょうど良い具合にカルーアの甘みと米焼酎アルコールでブレンドされます
コーヒーの色のグラデーションを目で楽しみながら、口の中でも味が徐々に変化してゆき、米焼酎にコーヒーのコクが乗ってゆく様子を楽しんでください。

甘いのがお好きな方は、カルーアの量を調整してください。
ただし、いれすぎるとせっかくの上品な米焼酎の香りが弱くなってしまうので、控えめの量からから試してください。

焼酎とコーヒーの組み合わせは斬新な感じがしますが、泡盛をコーヒーで割ったり、コーヒー豆を焼酎につけたりと、意外にもよく飲まれているようです。

ところで、今回使用した「かねます」の酒造でもコーヒーリキュールを販売していました。
ブラジル独立200周年と酒造創業200周年を記念して、ブラジル産の豆とコラボレーションして作られたようです。
こちらは豆を高濃度の焼酎に漬け込んで、きび糖で味のバランスを調整したそうです。

まとめ

本格米焼酎をベースにカクテルを作ってみて思ったのは、米の味は焼酎になっても米であるということです。
米焼酎をカクテルにしても、ご飯のように決して他の食材とはケンカしないということを実感しました。
コーヒーやグレープフルーツなどの和風とは対極の位置にある個性的な食材でさえも、上手に支えてしまう芯の強さに、日本人として誇らしげな気持ちさえ抱きました。

普段のカクテルより少しだけ焼酎多めにして、そこに潜む米焼酎の味を探してみてください。
お酒の後の米焼酎カクテルは、さっぱりすっきりと豊かな気持ちになります。

この記事を書いた人

森 由佳

森 由佳

食事とお酒を美味しく食べて飲めることを、人生の後半戦の目標に掲げています。家には常に焼酎のボトルが鎮座しているという環境で育ち、焼酎愛飲歴たっぷりのライターです。ざっくりとした視点で焼酎を語ります。

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