【米焼酎】六調子 青(ろくちょうし あお)/六調子酒造(熊本県球磨郡)
最古の家系が統治した700年
熊本県最南部の人吉市は、江戸時代の諸大名の中でも最古の家系といわれる、相良氏の城下町でした。
その統治は長きにわたり、鎌倉時代から幕末に至るまで、700年間も国替えがありませんでした。
今でも鎌倉時代の仏教遺跡が多く残っており、特に奥球磨地方の城泉寺(じょうせんじ)と青連寺(しょうれんじ)は、いずれも国指定重要文化財。
その堂々たるカヤ葺き屋根の仏堂の前に立つと、一瞬古都にいるかのような錯覚さえおぼえます。
このエリアはコメの産地としても有名です。
江戸時代の相良藩の石高は、22,000石でしたが、実は見せかけで10万石もあったとか。
そのためコメを原材料とした酒造りの自由度が高くまた、独自に外交ルートがあり、焼酎造りもそのルートから習得したといわれています。
第1次焼酎ブームの先陣
六調子酒造は、1923年(大正12年)創業の蔵です。
当蔵は、第1次焼酎ブームの先陣を切った「六調子」(現在の「本吟 六調子」)を輩出したことで有名。
馴染のあるコメを原材料としたことによって、本格焼酎ライトユーザーの取り込みに成功。
印象的な有田焼の寸胴容器も人気を支えました。
現在は、銘柄ラインナップはほとんど長期貯蔵熟成で仕上げられています。
それは四代目当主である池邉道人氏の「焼酎は「熟成酒」というかたちで、スコッチやコニャックを凌ぐ世界の酒として認知される」との信念から。
こだわりの常圧蒸留
この銘柄は、代表銘柄「六調子」の限定品。「六調子」より貯蔵熟成の期間が長い。
球磨焼酎おいては、全体的に減圧蒸留が主流である中、常圧蒸留を使用。
一次仕込みは白麹、二次仕込みの際には黄麹を使用する、添え仕込みと呼ばれる方法を採用。
飲み方はロックがおすすめです。
グラスに注ぐと熟成由来のバニラやカシュ―ナッツの香り。蒸したコメの香りにほんのりとミネラルを感じます。口に含むと、味わいはキリッと締まっていて、長期熟成によって水とアルコールが一体になっているためにインパクトはなめらか。コメから焼き栗のような香ばしさに変じ、長い余韻が続きます。
合わせる料理は、イカやコノワタのような魚介の風味(生臭い?)が詰まった食材を塩辛く仕上げたものがよく合います。
〈銘柄の紹介〉
【六調子 青(ろくちょうし あお)】
六調子酒造/熊本県球磨郡
主原料/米
麹菌/黒・黄麹(米)
度数/25度
蒸留/常圧蒸留
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SHOCHU PRESS編集部
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