高級焼酎とは?その評価とオススメをご紹介します
「高級焼酎」と聞くと、どこか敷居の高いイメージがあるかもしれませんが、必ずしも複雑な製法や高価な原料で作られているわけではありません。
ここでは、高級焼酎とその他の焼酎の違い、人気の高級焼酎銘柄、入手方法、そして楽しみ方を紹介します。
高級焼酎の基準は「評価」
焼酎の違い
高級焼酎の定義は、法律上も商慣習上でも定められておらず、もっぱらその「評価」で決まると言っていいでしょう。
つまり、希少な焼酎、こだわりの原料を使った焼酎、長期熟成を経た焼酎、世界的な市場で人気を博した焼酎など、さまざまな要素をもとに高い評価を獲得している焼酎が、いわゆる「高級焼酎」と呼ばれます。
まずは一般的な焼酎の分類基準による違いについて見ていきましょう。
製造方法
焼酎の製造方法は、大きく「単式蒸留」と「連続式蒸留」に分けられます。
「単式蒸留焼酎」は、単式蒸留機で1~2回蒸留された焼酎です。
原料の香味がよく溶け込んだ焼酎が多く、高級焼酎はほとんどが単式蒸留焼酎です。
別名「焼酎乙類」「本格焼酎」とも呼ばれます。
「連続式蒸留焼酎」は、酒税法上「アルコール含有物を連続式蒸留機で蒸留したものでアルコール分36度未満のもの」と定義されています。
「焼酎甲類」とも呼ばれ、一般的にすっきりした透明感のある味わいの焼酎です。
酎ハイやサワーのベースにもよく使われます。
原料
高級焼酎の多くは、芋、麦、米などを原料とする単式蒸留焼酎です。
他にもさまざまな原料の焼酎があります。
2021年10月には、「酒造りの神様」の異名を持つ日本酒杜氏・農口尚彦氏が醸した「酒粕焼酎」が話題になりました。
熟成
熟成の段階は、「初期熟成」(3~6カ月程度)、「中期熟成」(6カ月~3年)、「古酒化期」(3年以上)に分けられます。
年月を経ることで独特の香味が生まれ、希少価値も高まるため、高級焼酎の中には「長期熟成」と表示される古酒化期以上のものが多いです。
また、伝統的な貯蔵法で希少性の高い「甕貯蔵」や、熟成の個性が感じられる「樽貯蔵」が、高く評価される傾向にあります。
高級焼酎の定価は実は安い
流通過程で高価格帯になりがちなのが高級焼酎。例えば、高級焼酎の代表銘柄として名高い“焼酎界の3M”「森伊蔵」「村尾」「魔王」をネットで購入すると、1.8L瓶1本1万円前後。ところが各々の定価は、「森伊蔵」2,860円(税込)、「村尾」2,650円(税込)、「魔王」2,858円(税別)と、どれも3,000円以下なのです。
高級焼酎銘柄ランキング
芋
高級焼酎銘柄ランキング「芋」のTOP3は、言わずと知れた3Mでしょう。
人気の3Mに代表される高級芋焼酎の多くは、サツマイモの栽培に適した水はけの良いシラス台地が広がる鹿児島県の蔵で醸されています。
1.森伊蔵(鹿児島・森伊蔵酒造)
2.村尾(鹿児島・村尾酒造)
3.魔王(鹿児島・白玉醸造)
麦
麦焼酎は、モルトウイスキーと同様、大麦が原料です。
そのため、麦焼酎の中には、樽で長期熟成された洋酒のような甘く芳醇な香味をもつ高級焼酎が多く見られます。
1.決戦前夜(佐賀・窓乃梅酒造)
2.百年の孤独(宮崎・黒木本店)
3.兼八(大分・四ッ谷酒造)
鹿児島と宮崎に多い
鹿児島県には、3M以外にも「佐藤」「萬膳」といった高級焼酎を作る蔵が多く存在します。
また、「黒霧島」で知られる宮崎県は、2014年以降、毎年本格焼酎生産量1位を誇っています。
麦焼酎「百年の孤独」を製造する黒木本店も、宮崎県にあります。
その他の地域
福岡県には、ANA国際線ファーストクラスの機内食ドリンクに選ばれた3年熟成のごま焼酎「天盃 博多どんたく」を醸す天盃、長期熟成の樽貯蔵にこだわった麦焼酎「らんびき」の醸造元ゑびす酒造などがあります。
他にも、北海道にはじゃがいも焼酎「北海道 清里〈原酒5年〉」、広島には広島県産の「紅あずま」を使って仕込んだ本格芋焼酎「カープびいき」など、九州以外にもユニークな原料の高級焼酎があります。
高級焼酎はどこで買う?
特約店
焼酎蔵元が問屋を挟まずに直接契約を結んでいるのが特約店です。
例を挙げると、「森伊蔵」は森伊蔵酒販、高島屋、鹿児島県の山形屋で抽選販売を実施、「村尾」は武岡酒店がハガキでの申込抽選を行っています。
運次第で手間もかかりますが、定価で購入できる上に信頼できるというメリットがあります。
酒販店
特約店以外の酒販店でも購入可能ですが、希少価値の高い銘柄ほど価格も高く設定されていることが多いでしょう。
問屋を介してさまざまな焼酎蔵から商品が集まってくるので、幅広いラインアップが魅力といえます。
ネット
Amazon、楽天、Yahoo!、酒販店のECサイトなどでも購入できます。
希少銘柄の高級焼酎も見つけやすいというメリットがありますが、場合によっては10倍近い価格で販売されることもあります。
業者によっては保管や配送における管理に不安が残るところもあるので、注意が必要です。
スーパー
希少価値の高い銘柄はあまり流通していませんが、高級焼酎はスーパーでも購入可能です。高級スーパーだけでなく、イオンなど一般的なスーパーでも「佐藤」「魔王」などを取り扱っています。
ちなみにイオンのネットスーパーでは、「佐藤 黒麹仕込 25度 720ml」が6,468円(税込)で販売されています。
高級焼酎の楽しみ方
プレゼント
高級焼酎は、お酒好きな人へのプレゼントに最適です。価格帯は3,000円台~1万円を超えるものまで幅広く、バリエーションもさまざま。
日ごろ日本酒を飲む人には吟醸香の香る米焼酎、ウイスキーが好きな人には長期熟成の麦焼酎などを贈ると、ユニークなプレゼントとして喜ばれるのではないのでしょうか。
飲み方
蒸留酒である焼酎は、アルコール度数が20~25%前後と、日本酒、ビール、ワインなどと比べて高いため、水かお湯で割って飲むのが一般的です。
もっとも、高級焼酎は素材や製法にこだわったものや長期熟成させたものが多いので、ストレートやロックでゆっくりと特徴を味わうのがおすすめです。
最近ではハイボールのようにソーダで割る飲み方も人気です。
グラス
高級芋焼酎のグラスには、伝統工芸の薩摩切子グラスがおすすめです。ストレートで少しずつ飲むには小容量のおちょこ、ロックならゆったりしたタンブラーが良いでしょう。
焼酎の特長や温度帯、飲み方に合わせて、グラスだけでなく陶器、錫などお好みの酒器で楽しみましょう。
賞味期限
焼酎に賞味期限はありません。蒸留により不純物が取り除かれる上、アルコール度数が高く雑菌が繁殖しにくいため、品質の劣化を防げるからです。
もっとも、直射日光や急激な温度上昇で劣化してしまうことがあります。焼酎瓶が濃い茶色や緑色だったり、紙に包まれたパッケージであったりするのは、直射日光を防ぐためです。保管する際は、高温の場所を避けるようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
高級焼酎は、ワンランクの上の食事と合わせる食中酒、一日の終わりにくつろぐ時間のお供、あるいは特別なプレゼントとして、さまざまなシーンで活躍してくれます。
ぜひともお好みの飲み方で実際に味わってみて、高級焼酎の奥深い世界の入り口を覗いてみてくださいね!
この記事を書いた人
SHOCHU PRESS編集部
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