焼酎は糖質ゼロ! その理由とおすすめ銘柄をご紹介
日本で作られている蒸留酒のなかでも、とりわけ多くの人に愛されているのが「焼酎」です。
今回はこの焼酎を取り上げ、その栄養分と付き合い方、そして銘柄について解説していきます。
目次
焼酎は糖質0・プリン体0
「お酒」と一口に言っても、それを構成する成分や度数はお酒ごとに異なります。
焼酎は高い度数を誇るものの、糖質・プリン体が0であるため、健康的なお酒として知られています。
糖質とは
「糖質」とは、炭水化物から食物繊維を取り除いたものをいいます。糖質は人間の脳の栄養素となるものですが、同時に、摂取量が多すぎると肥満を招く恐れのあるものです。
現代人は糖質の摂取量が多すぎると指摘している声もあり、糖質の摂取量をコントロールする必要があります。
しかし一般的な焼酎は、この「糖質」が含まれていません。
プリン体とは
タラコなどの食品やビールなどの飲料に含まれている成分として、「プリン体」があります。これは通常は肝臓で処理され、尿酸となって体外に出されます。
しかしこれの摂取量が多すぎると、尿酸を輩出しきれなくなり、痛風などを引き起こします。また腎臓などに負担を掛けることもあります。
焼酎には、このプリン体も含まれていません。
どうして焼酎は、糖質0・プリン体0なのか
焼酎の原材料は芋などの炭水化物類であり、これにはプリン体も含まれます。
しかし焼酎の場合、「蒸留」という工程を経て、お酒になります。蒸留を行うことで発生した蒸気を冷やして焼酎にしていくのですが、原材料である芋などは蒸気となりません。
芋などの糖質やプリン体は出来上がった焼酎の中には残らないのです。
このため出来上がった焼酎には、これらは含まれず、ただ芋などの香り・うまみだけが残ることになります。
焼酎メーカーの見解
有名な焼酎メーカーの見解も見ていきましょう。
宝焼酎
蒸留工程において原材料のエキス分は取り除かれ、またプリン体も糖質と同じく蒸留工程で取り除かれます。
このため、焼酎には、糖質・プリン体は含まれていません。
-引用:宝酒造「宝焼酎は「糖質ゼロ」「プリン体ゼロ」
霧島酒造
焼酎は、蒸留という工程を通してアルコールなどを取り出したお酒であるため、原料由来の糖質やプリン体は含まれていません。
-引用:霧島酒造「本格焼酎は糖質ゼロ・プリン体ゼロ」
濱田酒造
この際に醪(もろみ)に含まれる糖質が「気化しない」ため、出来上がった本格焼酎は、「糖質ゼロ」となるのです。
-引用:濱田酒造「本格焼酎が糖質0ってほんと?」
飲みすぎには注意
ただ、「糖質もプリン体もゼロだから、どれだけでも飲んでもいいんだ」と考えるのは間違いです。
他のお酒との違いを知りつつ、適量で楽しまなければなりません。
また、サラダや魚などのように、健康的でヘルシーなおつまみを組み合わせるようにしてください。
他のお酒との比較
焼酎は糖質やプリン体が0というメリットはありますが、度数が比較的高めという特徴があります。
焼酎のアルコール度数は25度前後であり、ワイン(高くても15度程度)やビール(5度前後)に比べて高いため、飲む量には注意が必要です。
焼酎はその度数の高さから割って飲むことも多いと思われますが、逆に「飲みやすくてたくさん飲んでしまう」という人も多いことでしょう。
常に「自分がどれくらい飲んだか」を意識して飲む必要がありそうです。
糖尿病
上でも述べたように、焼酎は糖質を含んでいません。
そのため、「ビールやワインに比べて、糖尿病になるリスクは低そうだ」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、焼酎であれほかのお酒であれ、アルコールが含まれている飲料は、それを摂取過程や代謝過程で血糖値に影響を及ぼします。また特に大量の飲酒は危険であるとされています。
肥満
焼酎は、100グラムで146キロカロリー(乙類)~206キロカロリーもあります。
これは、ワインのカロリー(73~77キロカロリー)やビールのカロリー(40キロカロリー)に比べると、明らかにハイカロリーだといえます。
もちろん、焼酎の場合はほかのお酒とは異なり、「割って飲む」という飲み方を楽しむ人が多いのも事実です。
その場合は「1杯で摂取することになるカロリー」は低くなりますが、杯を重ねることで、肥満のリスクが高まります。
このようなデメリットをふまえたうえで、焼酎ときちんと付き合っていくことが求められます。
出典:大修館「食品成分表」P214
オススメ銘柄
最後に、焼酎のなかでも高い評価を得ている銘柄をいくつか紹介していきます。
麦
麦焼酎のなかでも、とりわけよく知られているのが三和酒類株式会社の出している「いいちこ麦焼酎」でしょう。
飽きの来ないスタンダードな味わいと、丸みを帯びた舌ざわりで多くの人から支持を集めています。
20度と25度と、度数の異なる展開があるのも魅力です。また、ギフトにぴったりのおしゃれなボトルのものも販売されています。
芋
100年以上もの歴史を持つ芋焼酎として、霧島酒造の「黒霧島」があります。
創業当時の技術と考え方を受け継いで作られた焼酎であり、多くの食事に合わせることができます。
とろりとした質感と甘味を持つのが特徴ですが、切れ味の良さも持っているのが魅力です。
料理の名わき役として活躍してくれることでしょう。
その他
焼酎の代表的な原材料といえば「麦」「芋」ですが、それ以外の原材料が使われることもあります。
たとえば、酒粕を使って作られる「吟香露」が挙げられます。
これは「杜の蔵」が作り上げた一品で、吟醸酒を作る過程で出た酒粕を使っているのが特徴です。
品の良い香りと清冽な味わいが楽しめるとして、人気を博しています。
甲類
「甲類」はアルコール度数36パーセント以下のものを指し、「乙類」とはアルコール度数が45パーセント以下のものを指します。
また前者は連続蒸留(発酵している液体を複数回入れて蒸留する方法)を、後者は単式蒸留(発酵している液体を入れる回数は1回のみ)を採用しているという特徴があります。
焼酎の分類方法としては、上記で述べたような「材料」で分ける方法と、今回のように「甲乙」で分ける方法があります。
なお甲類は比較的安く飲みやすいという特徴が、乙類は香り高く味わい深いという特徴が挙げられます。
甲類としては、宝酒造の打ち出す「宝焼酎25度」が人気を博しています。
大衆的で親しみやすい味わいが人気で、清涼感のある味わいが魅力です。
乙類としては、「鬼嫁」の名前を関された岩川醸造の焼酎が多くの人に愛されています。
黒麹を使って作られているもので、素材の味をクリアに感じられるとして評価を得ています。
ここまで、焼酎の栄養素や飲み方の注意点、おすすめのラインアップを紹介してきました。
自分好みの焼酎を選んでいきたいものですね。
この記事を書いた人
SHOCHU PRESS編集部
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