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焼酎梅干し割りを楽しむ その壱

焼酎の梅干し割りはなぜ愛されるのか。
焼酎の飲み方としては、約8割の認知率があるという圧倒的な知名度を誇る梅干割。
その理由と魅力、楽しみ方について紹介していきます。

焼酎梅干割りとは

お店で焼酎を頼むと、店員さんに「どのようにして飲みますか?」と尋ねられますね。
ロックかストレートか、お湯割り・水割りとその飲み方は多岐に渡ります。

私もその時の気分や、食事会の内容、人数により飲み方は変わりますが、みんなでワイワイという時は焼酎のボトルを頼むことが多いです。
その時はお湯わりか水割りで、さらに追加トッピングで梅干しやレモンを頼みます。
焼酎の飲み方はそれぞれでも、グラスの中に単純に梅干しをポトンと落としただけの存在。

焼酎梅干割りとはの画像

それが「焼酎の梅干割り」です。

梅干しに含まれる栄養素

焼酎に入れるのに、なぜ梅干しが好まれるのか。
まずは栄養の面から検証してみましょう。

梅干しに含まれる栄養素の画像

梅干しは栄養価が高く、低カロリー・低糖質であります。
梅干しには含まれる栄養素には鉄分があり、これは貧血予防になります。
また、ナトリウムも含まれています。
ナトリウムは、カリウムと共に体の中の水分のバランスを維持する作用があります。
夏場の熱中症予防に、水分と梅干し一粒と言われているのは、そう言う意味も含まれているのですね。

さらに含まれているクエン酸は、疲労回復の作用があります。
ナトリウム・クエン酸にスポーツをするときに摂取する栄養素が並びました。

最も注目すべきことは、「パニリン」という栄養素です。
これは脂肪燃焼効果のある栄養素です。
梅干しを加熱することで、パニリンの量が20%も増えるという研究成果も出ているようです。

ここまで並べてみると、美と健康に気を遣う方は、今すぐ梅干しを食べなければという気持ちになりませんか。

それに加え、胃の粘膜を守る働きにより、二日酔い対策としても有効な、素晴らしい食材です。

梅干しは焼酎と好相性

焼酎は低カロリーなお酒です。
糖質やプリン体がゼロのお酒なので、身体を気にかけている人や、ダイエット中の人に人気があるのはそのためです。
ゼロである理由はこのサイト内の「焼酎と健康の」ところで解説していますので、そちらをご覧ください。

梅干しは焼酎と好相性の画像

ここ数年、ビール業界が最も努力している「カロリーゼロ、糖質やプリン体OFF商品」。
アルコールにはカロリーが高くても栄養素が含まれない=エンプティカロリーとして体内に蓄積されにくいものと考えられています。
ところが、糖質を少なくするために使用されている人工甘味料などの化学物質は、インスリンの分泌を過剰にし、代謝が悪くなってしまうます。
代謝率が下がると、脂肪を増やすことに繋がり、必ずしもヘルシーであるとは言えなくなります。

焼酎のカロリーについては、アルコール度数が高い分、他の醸造酒と比較すると100mlあたりに含まれるカロリー自体は高くなるものの、ビールのようにごくごく飲むこともないので、総量としては抑えられていることが多いのです。

結果的に低カロリーとなる焼酎に、低カロリーで栄養豊富な梅干し。
最近では唯一気になる塩分も控えめの商品が多くなってきました。

私は毎年梅干しを漬けています。
太陽の光をたっぷりと浴びてできる梅干しは毎年味が違います。
また、本当に疲れている時に食べる梅干しは甘くも感じ、体がその栄養分を欲していることを知らされます。

味や香りはどう変わる

さて、焼酎の梅干割りの話に戻ります。

焼酎はアルコール度数が高いことや、原材料の種類によっては、個性的で独特の香りがします。
もちろんそれが大好きという人も沢山いるでしょうが、苦手という方もいるでしょう。
それが、梅干しを入れることでこのアルコール臭を和らげてくれます。
お湯割りにした場合などは、梅が持つ香りと焼酎の香りが混ざって、えも言われぬ芳香となります。

さらにその酸味が焼酎を飲みやすくし、塩分が焼酎の旨味まで引き出す効果となります。
また、単に梅干しと言っても、多くの種類があります。
シンプルな塩漬けから始まり、多くの人がイメージしているあの赤い梅干しは赤紫蘇の色。
蜂蜜漬けや、カツオ梅など、多彩にわたる味付けがどれも体に良く旨味成分を持っています。
それらが焼酎の中にじわじわと滲み出てきて、梅干しの味や食感・香りが変化するも楽しみの一つです。

一粒で2杯3杯と、ゆったりと時間をかけて楽しめるのが、焼酎の梅割りです。

いつから飲まれている?

この焼酎の梅干割りはいつ頃から飲まれているのでしょうか。
調べてみましたが、明確な文献は見つかりませんでした。

私の記憶の中では、1969〜70年代初頭までは、焼酎はまだおじさんのお酒というイメージでした。
その後居酒屋ブームと共に、焼酎を炭酸で割ったサワー(主にレモンサワー)が広がり、1980年代に入ると焼酎そのものがブームになってきました。
その昭和の最後あたりの時期から、焼酎梅割りが一般的になってきたように思います。
つまり、焼酎をより安価なサワーにして飲んでいた時代から、焼酎の味自体を楽しむための一つのツールとして発展してきたようにも思います。

「梅干しを入れるとおいしいんだよ」
記憶をたぐっていくと、昭和時代のオジサンの声が今も蘇ります。

焼酎梅干割りを楽しむ

焼酎梅干割りがここまでスタンダードになってきた理由は、やはりその美味しさと味のバリエーションにあると思います。
梅干しと同様に、トッピングとしての定番はレモン割りですが、レモンはお湯割にはあまり入れないでしょうし、レモンの味自体にはそれほど大きな違いはありません。

もちろん最近では、塩レモン、凍ったレモンとメニューの幅を広げて来ています。
それでも王道の梅干割りには敵いません。

ここからは焼酎や梅干しの個性と種類に合わせた楽しみ方を紹介していきます。

焼酎にこだわる

まず、焼酎の梅干し割りのベースとなる焼酎の種類にこだわってみます。
焼酎には、風味が少なくクセの少ない甲類焼酎(連続蒸溜で造る焼酎)、芋や麦、米など原料由来の味や香りをたのしめる乙類焼酎(単式蒸溜で造る焼酎)があります。

焼酎にこだわるの画像

ちなみに梅干しを作るときに、甲類焼酎に塩をまぶした梅をつけます。
材料が一緒なだけに、風味が合うわけですね。

梅干し割りのベースの焼酎には、甲類焼酎が使用されるのが一般的です。
どれが決まりというわけではなく、すっきりと飲みやすい麦焼酎や、香り強くこくとまろやかさがある芋焼酎とも合います。

また、梅干しがご飯のお共となるように、米焼酎と合わせても相性がよいです。
決まった種類の焼酎だけでなく、いろいろと好みに合わせて飲み比べてみるのも楽しみ方のひとつであります。

次回は梅干し割にする焼酎の種類と、梅干しの種類について紹介します。

この記事を書いた人

森 由佳

森 由佳

食事とお酒を美味しく食べて飲めることを、人生の後半戦の目標に掲げています。家には常に焼酎のボトルが鎮座しているという環境で育ち、焼酎愛飲歴たっぷりのライターです。ざっくりとした視点で焼酎を語ります。

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