焼酎のトマトジュース割りをご紹介します。リコピンで焼酎を美味しく!
焼酎の飲み方として、割りもののバリエーションを楽しめることが挙げられます。
最もベーシックなレモンや前回特集した梅干し、その次あたりに認知度としてランキングされるのが「トマトジュース割り」ではないでしょうか。
独自の味わいを持ちながら愛され続けているトマト、トマトジュース割りについて紹介したいと思います。
目次
トマトが好まれる訳は
トマトの種類
トマトは世界では、8,000種を超える品種があると言われています。
日本では120種を超えるトマトが品種登録されていて、大玉・中玉・小玉と大きさも色も多彩です。
皮が薄く酸味が弱いものは生食用、皮が厚く酸味や青臭味が強いトマトは加熱用と、用途も多岐に渡っています。
小さく甘みの強いフルーツトマトとは、栽培の工夫によって糖度8以上に高糖度化をはかったトマトの総称のこと。
この甘いトマトの登場により、トマト嫌いが解消されたという方も多いでしょう。
トマトの栄養価
トマトは栄養価が高く、美容にも健康にも良い食材とされています。
血圧降下作用や減塩効果、紫外線などによる肌のダメージの回復、善玉コレステロールを増やす等々いいことずくめの食材です。
リコピン
中でも注目されるのはトマトの赤い色に含まれる「リコピン」。
「リコピン」は抗酸化力が強く、その作用はビタミンEの100倍以上にもなるという報告もあります。
抗酸化力
抗酸化力とは活性酸素を消去する能力のことです。
通常、活性酸素は体内に侵入した細菌などの異物を攻撃したり、体内の酵素反応を促したりする等、私たちの身体にとって大切な役割を果たしています。
本来体内に備わっている活性酸素消去機能が順調に働いていれば、活性酸素に問題はありません。
しかし、ストレスや現代的な生活要因で活性酸素が増加すると、体内では消去しきれなくなった過剰な活性酸素が問題となるのです。
この過剰となる活性酸素が体内を傷つけて、がんや生活習慣病の原因になるのです。
トマトジュースにすると吸収が良くなる
トマトの栄養素であるリコピンを効率よく摂取する方法は2つあります。
ひとつは加熱。
もう一つは果実の細胞壁を粉砕すること。
つまりジュースやピューレにすることです。
生のままのトマトに比べて、ジュースにするとリコピンの吸収量がなんと3.8倍にもなるそうです。
トマトジュースを使った世界のカクテル
カクテルとはいえ、基本はスピリッツのトマトジュース割りです。
トマトジュースとお酒の相性が良い点
トマトジュースとお酒を一緒に飲むと、そうでない場合と比べて良いことが2つあります。
それは
・血中のアルコール濃度が体内に溜まる量が、平均で約3割減少する。
・体内からのアルコール消失が50分早まる。
酔い覚ましにトマトジュースも効果的でありますが、同時摂取でこれだけ力を発揮するとなれば、今すぐトマトジュースを手に入れたくなりますね。
トマトジュースを使ったカクテルを焼酎で作ってみよう
多くの原料から作られる焼酎には、世界のスピリッツと共通する部分が多くあります。
ここではスピリッツの種類をいくつかピックアップして、世界のトマトジュースカクテルを紹介します。
ブラッディ・メアリー
ブラッディ・メアリーはトマトジュースカクテルでも一番有名なカクテルです。
無味無臭のウォッカとトマトジュースを混ぜたシンプルで飲みやすいカクテルです。
焼酎の中でも、割りものに多く使われる甲類焼酎で作ってみてはいかがでしょうか。
ブラッディ・シーザー
ブラッディ・シーザーのベースはウォッカですが、トマトジュースをクラマトというトマトジュースを使用したカクテルです。
クラマトトマトジュースはハマグリのエキスを入れたトマトジュースで、癖になるしょっぱさが特徴的です。
お酒を飲むと塩味が欲しくなるので、味覚のアクセントや締めにも丁度良いカクテルです。
甲類焼酎やまろやかな米焼酎で作ってみてはいかがでしょうか。
ほんの数滴オリーブオイルを垂らしても風味がさらに良くなり、その脂肪分がトリコピンの吸収率を高めます。
ブラッディ・サム
ブラッディ・サムはベースをジンにしたカクテルです。
ジンの原料は大麦やじゃがいも、ライ麦などです。
無味無臭のウォッカを使用したブラッディ・メアリーより、ジン特有の西洋ねず:ジュニパーベリーと呼ばれる針葉樹の実の香りを感じる味わいです。
フルーティーな香りのある麦焼酎や、華やかな香気のある紫蘇焼酎などで作ってみてはいかがでしょうか。
ストローハット
ストローハットはベースをテキーラにしたカクテルです。
独特の癖を感じるので、テキーラがお好きな人におすすめしたいカクテルです。
テキーラはメキシコの蒸留酒です。
サボテンから作ったと思われがちですが、そうではなく竜舌蘭というアロエに近い植物からできています。
また、そこにとうもろこしの糖蜜を加えているテキーラもあります。
焼酎で作る場合は、芋焼酎や、サトウキビ焼酎などを使ってみてはいかがでしょうか。
テキーラを使ったカクテルには、ライムや塩を使用する事が多いので、同じようにしてもいいかもしれませんね。
デニッシュ・メアリー
ベースにアクアビットを使ったものです。
アクアビットは、北欧が主な原産地で、じゃがいもを原料としており、薬草で風味づけしているので個性の強いお酒です。
クセの強い芋焼酎で、ちょっと濃いめに作ってみてください。
ブラッディブル
ブラッディブルはビーフブイヨンを使用したちょっと変わったカクテルです。
ブラッティメアリーにビーフブイヨンと、大さじ1杯ほどのレモン果汁を加えて作られたスープのようなカクテルです。
香り付けに、セロリやキュウリをグラスに刺して、ポリポリと食べながら飲むのもオツですね。
胡椒やタバスコを入れるとさらに風味があがります。
トマトジュース割りを最後まで美味しくいいただくコツは
・氷は少なめに
・グラスをよく冷やしておく
ことです。
果実を使ったカクテル
トマトジュースを使わずに、トマトそのものを使って普段の焼酎をドレスアップしてみてはいかがですか。
ミニトマト
ミニトマトを半分に切ってたっぷりとグラスに入れ、お好みの焼酎(私は芋を使います)と、トニックウォーターで割ります。
糖度の高いトマトを使ってみてください。
締めのデザート代わりと二日酔い予防にいかがですか。
また、レモンやグレープフルーツなどの柑橘系のエキスを数滴垂らしても、味が変化してさらに美味しくなります。
フローズンミニトマト
ミニトマトを丸ごと凍らせて氷がわりに使います。
凍ったミニトマトをたっぷりとグラスに入れて、お好みの焼酎と炭酸で割ってください。
トマトが溶けるにつれて、じわじわと味が滲み出て来るのがわかります。
途中でトマトを丸ごと食べてしまうのもよし、塩をひとつまみ入れればトマトの酸味が柔らかくなり甘味が引き出されます。
ミニトマトの皮に十字で切れ目を入れておくと、中身が溶け出てくるのが早くなります。
まとめ
焼酎のトマトジュース割りはいかがでしたか?
世界のスピリッツの原材料は、日本の焼酎はほぼカバーしているという素晴らしさ。
しかも、トマトジュースは、「体に良い、お肌に良い、二日酔いを防ぐ」となると、お酒好きの罪悪感を全て解消してくれるような感覚になりますね。
焼酎の割りものは、お酒の濃さを自分で調節できることも、良い部分です。
焼酎とトマトジュースでお気に入りのカクテルを見つけてください。
この記事を書いた人
森 由佳
食事とお酒を美味しく食べて飲めることを、人生の後半戦の目標に掲げています。家には常に焼酎のボトルが鎮座しているという環境で育ち、焼酎愛飲歴たっぷりのライターです。ざっくりとした視点で焼酎を語ります。
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