プレミアム焼酎「百年の孤独」とは?
今回は、プレミアム麦焼酎「百年の孤独」に注目です。
こだわり、ウイスキーとの相違点、味わい、飲み方まで、一挙にご紹介します。
百年の孤独の特徴
「百年の孤独」は、宮崎県高鍋町の黒木本店が造る麦焼酎です。
黒木本店は、「焼酎造りは農業から始まる」との考えのもと、原料栽培から手がけ、循環型の焼酎造りを行っています。
また、麹づくり、自家培養酵母、木桶仕込み、絶妙な蒸留技術と、造りのこだわりが随所に見られます。
ウイスキーのような焼酎
そんな黒木本店の「百年の孤独」は、ココナッツや香ばしい麦の風味を楽しめる、凝縮感と滑らかさが共存したプレミアム焼酎。
こだわりの原料を手作業で醸し、蒸留した麦焼酎を、ウイスキーにようにホワイトオーク樽で3年以上熟成させています。
オークの香りとほんのりシガーが香る「百年の孤独」の最大の特徴は、この長期熟成に由来しています。
WTOの是正勧告のきっかけは「百年の孤独」!?
時は1980年代後半、長期熟成焼酎の人気が高まっていました。
すると当時のサッチャー英首相から竹下首相に対して、「焼酎がスコッチウイスキーを模倣し、市場を侵している。
ついては、焼酎とスコッチの税率を同じにするべき」との申し入れがあったのです。
これを機に、ウイスキーの輸出拡大を目論むEU諸国は、「同じ蒸留酒なのに日本でウイスキーの酒税が焼酎の酒税より高いことは不当」と主張。
世界貿易機関(WTO)に訴えることに。WTOはこの訴えを認め、日本政府に税率の是正勧告を出すに至りました。
「百年の孤独」が最初に発売されたのは1985年。
長期熟成のウイスキーにも匹敵する味わいの麦焼酎は、ウイスキーにとって脅威だったのかもしれませんね。
麦焼酎とウイスキーの違い
麦焼酎とウイスキーは、どちらも大麦を原料とする蒸留酒で、共通点は多いです。
では、違いはどのような点にあるのでしょう。
まず、仕込み方法。焼酎の大きな特徴のひとつとして、発酵に麹菌を使っているということが挙げられます。
一方、ウイスキーは大麦の麦芽そのものを糖化させ、発酵させています。
もうひとつは、着色度。1960年代に制定された酒税法で、「焼酎の色度はウイスキー類の1/10、出荷時で着色度は0.08以下」と定められています。
樽熟成させて深い琥珀色をまとった麦焼酎ができても、焼酎として出荷するには、濾過して色素を抜いたり、短期熟成の焼酎とブレンドして色を薄めたりしなくてはなりません。
百年の孤独は代表的な樽熟成焼酎
「百年の孤独」は、発売から30年以上たち、代表的な樽熟成焼酎としての地位を確立しています。
長期貯蔵で丸みをおび、樽の甘く芳醇な香味が移った上品かつ力強い洋酒のような味わいは、ファンの心をとらえて離しません。
アルコール度数
一般的な焼酎は25度
焼酎のアルコール度数の主流は25度。
旧酒税法では、基本税率の基準が26度未満で、これを超えると1度ごとに1キロリットルあたりの税額が上げられていました。その名残りで、法改正後も25度が定着し、今でも主流の度数になっています。
宮崎では20度が主流
全国的には25度が主流ですが、宮崎ではなぜか20度の焼酎が圧倒的によく飲まれます。
理由は諸説ありますが、戦後の物資不足の時代の密造酒カストリの生産拠点が宮崎にあったことの名残りといわれています。
宮崎で人気の焼酎の飲み方は、20度の焼酎をストレートまたはロックで飲むというもの。
いちど定着した度数は、時代を超えて愛され続けるのですね。
百年の孤独は40度
「百年の孤独」は、3年以上長期熟成させた原酒を複数ブレンドして仕上げています。
アルコール度数は、蒸留後の度数と同程度の40度。ほぼ加水せずに商品化されています。
20度が主流の宮崎県では珍しく、高めの度数設定です。
ボトル
焼酎は一升瓶が有名
最も有名な焼酎ボトルといえば一升瓶です。
「一升」は、日本古来の単位で、メートル法の容量では約1.8Lにあたります。
最近では4合瓶や5合瓶が主流
最近では、4合瓶や5合瓶も人気です。スーパーなどに並んでいる焼酎のサイズは、一升瓶より4合瓶(720ml)や5合瓶(900ml)のほうが多いところもあるくらいです。
スナックなどのナイト系の店では、棚に並べやすい5合瓶が主流ですね。
百年の孤独はオリジナルボトル
「百年の孤独」の容器は、720ml。容量は4合瓶と同じですが、洋酒のような形状をしています。
さらに、古紙のような質感の紙で包まれていて、英文で商品説明が印字されています。クラシカルなネーミングに合う、雰囲気のあるオリジナルボトルです。
プレミアム焼酎
プレミアム焼酎の明確な定義はありませんが、希少性や市場価値の高さから入手困難になった焼酎であることが多いです。
こだわりの原料で丁寧に生産される「百年の孤独」は、人気で手に入りにくく、ネットでは2倍近い価格で販売されていることも。「百年の孤独」もプレミアム焼酎といえるでしょう。
百年の孤独は麦焼酎
「百年の孤独」は、麦焼酎です。麦焼酎は、ウイスキーと同じ大麦を原料としていることもあり、樽熟成と好相性。
「百年の孤独」は、原料へのこだわりはもちろんのこと、樽でじっくり熟成させた時間軸が、付加価値として加わっています。
3Mは芋焼酎
プレミアム焼酎として名高い「森伊蔵」「村尾」「魔王」の3Mは、どれも芋焼酎。
3Mがプレミアムとされている大きな要因は、やはりその希少性にあります。
いずれの銘柄も、小規模の焼酎蔵で丁寧に手をかけて造られており、生産本数が限定的であるため、市場価値が高まっています。
宮崎のプレミアム焼酎
宮崎県は、「百年の孤独」の黒木本店をはじめ、プレミアム焼酎を醸す蔵を多く輩出しています。
有名どころでは、日南市の宮田本店の主力銘柄「日南娘」、西都市の岩倉酒造場の「月の中(つきんなか)」、東諸県郡国富町の川越酒造場の「川越」などが挙げられます。
百年の孤独のオススメの飲み方
「百年の孤独」は、焼酎のベーシックな飲み方である水割りやお湯割りはもちろん、ロック、ストレート、ハイボールでも美味しく飲めます。
ロック
洋酒のような味わいをもつ「百年の孤独」を、ウイスキーのようにロックでゆっくりと味わうのはいかがでしょうか。
お供には是非、ドライフルーツやチョコレートなどを合わせてみてください。
ストレート
ストレートでは、樽熟成によるオークの香りだけでなく、麦焼酎ならではの穀物の甘みもダイレクトに感じられます。
度数が高いのでチェイサーを用意して、複雑な風味と優雅な味わいを堪能しましょう。
ハイボール
ハイボールが人気の昨今、高級ウイスキーのハイボールをオーセンティックバーなどで提供することも珍しくありません。
「百年の孤独」を炭酸で割って、ハイボール風に楽しむのも良いですね。
食後酒として
「百年の孤独」は、食後酒としても最適です。
好みの飲み方で、晩酌や食後のクールダウンに取り入れてみましょう。
まとめ
プレミアム焼酎「百年の孤独」の名前は、誰もがいちどは耳にしたことがあるのではないでしょうか。樽熟成焼酎の元祖ともいうべき銘柄を、ぜひ実際に味わってみてくださいね。
この記事を書いた人
SHOCHU PRESS編集部
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