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ホワイトリカーは他の酒類とどう違う?|果実酒のレシピと法律の話の画像

ホワイトリカーとは?|その特徴とおすすめレシピ、問題点をご紹介します

ホワイトリカーは、何でできているかっていますか?
果実酒をつくるときにホワイトリカーを買う人は多くいますが、成分まで理解している人は少ないかもしれません。
実は、ホワイトリカーと甲類焼酎は同じものです。
ではなぜ甲類焼酎がホワイトリカーと呼ばれるのでしょうか?
また、果実酒作りは法律規制があり、知らずに法律違反になっていることもあり注意が必要です。
この記事では、ホワイトリカーの特徴とおすすめレシピ、問題点をご紹介します。

ホワイトリカーの画像

ホワイトリカーとは甲類焼酎のこと

ホワイトリカーは、他の酒類とどう違うのでしょうか?
法律上の分類や特徴を知っておきましょう。

ホワイトリカーは酒税法の分類では甲類焼酎のことです。
焼酎は蒸留法の違いで甲類と乙類に分類されます。
法律上は甲類焼酎も乙類焼酎もホワイトリカーと称することができますが、販売されているホワイトリカーは、ほとんどが甲類焼酎です。
一般に、甲類焼酎のなかで飲用に使用されるものを「甲類焼酎」、果実酒につかうものを「ホワイトリカー」と呼びならわすことが多いようですが、違いはありません。

甲類焼酎とは

甲類焼酎とは酒税法上はアルコール含有物を連続式蒸留器により蒸留したものでアルコール分が36度未満のものをいいます。
連続して蒸留するので、余計な雑味やクセがなく、スッキリとした味わいが特徴です。

ホワイト革命の画像

ネーミングのきっかけはホワイト革命

甲類焼酎がホワイトリカーと呼ばれるのは、アメリカでの「ホワイト革命」と呼ばれる出来事がきっかけです。
1974年、それまで消費量がNo.1だったバーボンを抜いてウォッカがトップになり、茶色い酒から無色透明の酒への革命がおきたといわれたのです。
ウオッカも、甲類焼酎と同じ連続蒸留の手法を用いた雑味のない無色透明な酒です。
このアメリカでのホワイト革命が世界中に波及して、世界的に無色透明でスッキリとした飲み口の酒類の人気が高まりました。
日本でも、いままでの一升瓶に入った焼酎ではない、透明でおしゃれな酒類として甲類焼酎がホワイトリカーと呼ばれ、売られるようになりました。

甲類焼酎と乙類焼酎の違い

焼酎は、原料をアルコール発酵させた液を蒸留してつくられます。
焼酎の甲類と乙類の違いは、蒸留方法の違いです。
甲類焼酎は、蒸留工程が連続的に行われアルコール精製度が高くなる連続蒸留、乙類焼酎はアルコール蒸留が1度だけ行われる単式蒸留を実施します。
乙類焼酎は甲類焼酎に比べて、アルコール以外の成分が残っているため、味わいが原料によって変化し、個性があります。
乙類焼酎を本格焼酎と呼ぶこともあります。
また酒税法上、甲類焼酎はアルコール度数が36%未満、乙類焼酎はアルコール度数が45%以下と規定されています。

ウオッカとの違い

甲類焼酎とウォッカは、ともに連続式の蒸留器で何度も蒸留されて雑味を取り除いた酒類で、クリアな味わいを特徴とします。
酒税法上は、ウォッカはアルコール度数が40度以上、甲類焼酎は35%未満と規定されています。
ウォッカは蒸留工程後に白樺の炭で濾過しますが、この工程を追加したのは、現在世界No.1のウオッカを販売するスミノフの創業者ピエール・スミノフといわれています。
ウオッカはロシアでロシア皇帝御用達の酒として育ち、ロシア革命で世界に広がりました。
ホワイトリカーとはの画像

ホワイトリカーの特徴

ホワイトリカーの特徴を以下にまとめます。

原料

ホワイトリカーの主原料はさとうきびの搾りかすで「モラセス」とも呼ばれます。
法律上、材料に縛りはありませんが、連続式蒸留で無味無臭に近いクリアな味わいが甲類焼酎の魅力ですので、低コストで入手しやすい原料が使用されています。

アルコール度数

甲類焼酎のアルコール度数は酒税法で35度未満と決められています。
また、果実酒をつくる場合アルコール度数が20度以上でなければならないとも決められています。
主に果実酒用とされる市販のホワイトリカーは、ほとんどが35度です。
アルコール度数が高ければ、それだけエキス分が出やすくなります。

製造方法・蒸留法

ホワイトリカーは連続式蒸留器で連続式蒸留法を使用してつくられます。
連続式蒸留法では何度も蒸留がされるため、アルコールの濃度は高くなり、雑味は除かれます。

ホワイトリカーは果実酒向き

ホワイトリカーは、雑味がなくスッキリとした味わいなので、果実の風味を生かしたい果実酒に向いています。

ホワイトリカーを使ったおすすめレシピ

ホワイトリカーを使ったレシピと言えば、なんといっても果実酒です。
果実酒の代表ともいえる梅酒をはじめとするレシピをご紹介します。

梅書の画像

梅酒

ここでは雑味のなくエキス分がしっかりと感じられる梅酒をつくる方法をご紹介します。
■材料
青梅…………………1kg
氷砂糖………………500g~1kg
ホワイトリカー……1.8L
1.青梅は、できるだけ傷のないヘタのついているものを選びます。
2.梅を洗い、2時間以上水に漬けます。
3.ざるに上げて清潔なペーパータオルや布で水分をとります。
4.楊枝か竹串のようなものでヘタを取ります。
※ヘタとは梅が木についていたところ。“なり口”と言われることもあります。ヘタを取ることで梅酒がスッキリとした味わいになります。

ヘタの画像

5.半日ほど乾かします。
6.冷凍庫に入れ凍らせます。
※エキスを出しやすくするための工程です。
7.保存用の瓶を用意し、消毒用アルコールで拭くか、熱湯をまんべんなくかけておきます。
8.7の瓶に、凍らせた梅と氷砂糖を交互に入れて、ホワイトリカーを注ぎ入れます。
9.そのまま冷暗所に置きます。氷砂糖は自然に溶けだすのを待ちます。
10.3ヶ月ほど経過して、氷砂糖が溶け全体が褐色に変化したら飲みはじめられます。

色々な果実酒をつくってみよう

リンゴ酒の画像

リンゴ酒

酸味の少ないリンゴはレモンと一緒に漬けると美味しく仕上がります。
■材料
リンゴ………………1kg
レモン………………2個
氷砂糖………………500g~700g
ホワイトリカー……1.8L
1.リンゴは水洗いし、皮付きのまま切り、芯や傷んでいる場所を取り除きます。
2.防カビ剤不使用の国産レモンの場合はそのまま、輸入レモンの場合は皮をむいてから、スライスして使用します。
3.消毒用アルコールで拭くか熱湯をかけた保存瓶に、リンゴとレモンと氷砂糖を交互に入れ、ホワイトリカーを注ぎます。
4.冷暗所で、氷砂糖が溶けるまで放置しておきます。
5.約1ヵ月後には飲めるようになります。

その他の果実酒の画像

旬の果物

旬の果物と氷砂糖、ホワイトリカーがあればお好みの果実酒ができます。
梅のように、もともと酸味がある果物であればそのままで、リンゴのように酸味の少ない果物であればレモンで酸味を加えると美味しい果実酒になります。
氷砂糖の量は果物(レモンを含む)の半分から8割程度、ホワイトリカーは果物の倍量程度が目安です。
いちご、ブルーベリー、かりんなど、アイディア次第でおいしい果実酒ができます。
ただし、ぶどうについては法律で製造が禁止されています。

ホワイトリカーの果実酒づくりで気をつけたい5つのルールの画像

ホワイトリカーの果実酒づくりで気をつけたい5つのルール

果実酒づくりにはルールがあります。
酒税法に違反した場合は、自家用であっても酒税法違反行為となり、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
法律に違反しないよう、ルールを守って果実酒を楽しみましょう。

ルール①:酒税課税済みのアルコール度数20度以上の酒類を用いる

果実酒に使える酒類は、アルコール度数20度以上と定められています。
アルコール酵母は20度より低い濃度ではアルコール発酵し、酒類の濃度を変化させるおそれがあります。

ルール②:混和が禁止されている物品を使わない

酒税法では、以下の物品は酒への混和を禁止されています。
(イ) 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ
(ロ) ぶどう(やまぶどうを含む。)
(ハ) アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす

ルール③:譲渡しない・販売しない

果実酒は、譲渡や販売をしてはいけません。
居酒屋や旅館などでは、営業場所内の飲用が特例として認められています。

ルール④:他の酒類と混ぜない

果実酒に他の酒類を加えることは、酒類を製造する行為とされます。
「みなし製造」といわれ、酒税法違反となります。

ルール⑤:20歳未満の子どもに飲ませない

20歳未満の者の飲酒は、法律で禁止されています。
「未成年者飲酒禁止法」では、20歳未満の者はお酒を飲んではならず、未成年の子どもがいる親は、子どもがお酒を飲むのを知ったときは止めなければいけない、と規定されています。

まとめの画像

まとめ

主に果実酒に使用される甲類焼酎は、ホワイトリカーという名称で販売されています。
ホワイトリカーは連続式蒸留を実施しているので、単式蒸留の乙類焼酎に比べて雑味のないクリアな味わいが特徴です。
また、ウオッカとは最終濾過の有無に違いがあります。
ホワイトリカーを使用すると、風味が生きた美味しい果実酒をつくることができます。
法律に違反しないように使用する酒類のアルコール度数や混ぜる果実を選び、ホワイトリカーを使って美味しい果実酒を自宅で楽しみましょう。

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