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焼酎用語集

甲類焼酎と乙類焼酎の違いとは?

焼酎は大きく二種類に分けられることをご存じでしょうか。そして、両者にはそれぞれ全く異なる特徴があります。今回は「甲類焼酎」と「乙類焼酎」の違いを詳しく解説します。

焼酎は2種類に分けられる

焼酎ラベルの品目に「甲類焼酎」や「本格焼酎」などの記載があるのをご存知でしょうか。焼酎は大きく「甲類焼酎」と「乙類焼酎」の2つに分けられますが、これは焼酎を種類分けした名称です。では、両者にはどのような違いがあるのでしょう。また、名称にはどのような意味があり、「本格焼酎」とはどの焼酎を指すのでしょうか。違いを知る前に、まずは焼酎の製造方法を簡単に紹介します。

焼酎の造られ方

焼酎の製造工程はメーカーや銘柄によって様々で一概には言えませんが、大きな流れがこちらです。

①製麹(麹造り)
焼酎造りでは、まずは麹(こうじ)を造ることから始まります。蒸した米に種麹を加え、2日間ほどかけると米麹が出来上がります。この米麹には芋や麦など主原料のデンプンを糖に変える役割があります。

②一次仕込み
出来上がった米麹に水、酵母を加え発酵させます。6〜8日経つと醪(もろみ)が出来上がります。この工程でできた醪を「一次醪」といい、糖をアルコールに変える役割があります。

③二次仕込み 
次に一次醪に芋や麦などの主原料と水を加え発酵させます。この発酵の工程で、主原料に含まれるデンプンを「米麹」が糖に変え、同時に「醪」が糖をアルコールに変えます。こうして「二次醪」が出来上がります。

④蒸留
最後に二次醪を蒸留器に移し沸騰させます。その際、気化したアルコールを冷やすと液体に戻ります。これが焼酎の原酒です。

⑤割り水
焼酎の原酒はアルコール度数が40度と非常に高いため、水で割って調整します。こうして焼酎が出来上がります。

甲類焼酎と乙類焼酎

さて、話がそれましたが「甲類焼酎」と「乙類焼酎」の違いはまさにこの製造工程にあります。次は甲類・乙類の違いを解説します。

甲類焼酎とは

まず甲類焼酎は、酒税法により「連続式蒸留器で蒸留したもので、アルコール分が36度未満」と定義されている焼酎を指します。つまり製造過程の④蒸留において、二次醪を蒸留する際、「連続式蒸留器」を用いることが甲類焼酎の条件です。原材料にはサトウキビの糖蜜などが使用されており、連続して蒸留することで原材料の味や風味をなくすことができ、純粋なアルコールが出来上がります。甲類焼酎はホワイトリカーともいわれ、風味やクセがないスッキリとした飲み口が特徴です。連続して効率よく蒸留を行えるため、比較的安価で販売されています。
甲類焼酎が日本で初めて製造されたのは1900年頃と言われています。焼酎の歴史で見れば比較的新しいので「新式焼酎」と呼ばれていたこともあります。

乙類焼酎とは

一方で乙類焼酎は「単式蒸留器で蒸留したもので、アルコール分45度以下」と定義されています。一度しか蒸留を行わないため、原材料の風味が多く残ります。使用される原材料は芋や麦、米、黒糖など様々で、それぞれの風味や特徴が感じられる味わい深い焼酎になります。一般的な芋焼酎や麦焼酎などはこれにあたります。種類が多く、銘柄それぞれに個性があります。
単式蒸留は日本で古くから行われてきた蒸留方法で、乙類焼酎は「旧式焼酎」とも言われていました。伝統的な蒸留方法を用いており大量生産ができないことや、原材料をふんだんに使うことから甲類焼酎に比べると少し高値です。

本格焼酎は甲類? 乙類?

甲類・乙類と銘打っていますがこれは型式上の分類で、両者の質を表すものではありません。しかしながら、甲乙の表現は優先順位を想起させるため、今では乙類焼酎は「本格焼酎」へと名称変更されました。また本格焼酎は、製造工程で一切の添加物を加えないことが条件とされています。つまり本格焼酎とは、添加物を加えず、単式蒸留によって製造された「乙類焼酎」を指します。

混和焼酎とは

焼酎の中には甲類・乙類を混合させた「混和焼酎」が存在します。スッキリとピュアな甲類と味わい深い乙類をブレンドしたもので、飲み口がスッキリかつほのかに風味も感じられ、それぞれの特徴を同時に味わえる焼酎です。

おすすめの飲み方

甲類焼酎は割って飲むのがおすすめ

甲類焼酎はクセのないスッキリ感が特徴のため、お好みの割り材を活かす飲み方がおすすめです。

ソーダ割り

氷を入れたグラスに焼酎を入れ、ソーダで割るとスッキリとした酎ハイになります。お好みでレモンやオレンジなどの果汁を絞るとフルーツサワーにも。

お茶割り

緑茶や烏龍茶など好みのお茶で割ると、お茶ハイとして楽しめます。食事のお供にもピッタリです。

果実酒

日本の家庭で古くから造られる「梅酒」や「柚酒」のベースにも甲類焼酎が使用されています。焼酎を入れた瓶にお好みの果実と氷砂糖を漬け込むと「自家製果実酒」が造れます。ただし、造る際は酒税法による規定がありますので注意が必要です。

乙類焼酎はそのままで素材を感じて

乙類焼酎の特徴は原材料の風味が残っていることです。ぜひそのままで、素材を感じてください。

ストレート

味わいを最大限楽しみたいならストレートがおすすめです。お好みの銘柄をそのままグラスに注ぎ、素材本来の風味を楽しんでください。銘柄によってはアルコール度数が高いものもありますので、飲み過ぎには注意が必要です。

ロック

風味を楽しみたいけどストレートは度数が強すぎて……。という方はロックでお試しください。風味を感じられることはもちろん、時間経過によって氷が溶けていき味のグラデーションも楽しめます。

ソーダ割

近年では乙類焼酎をソーダで割ったハイボールもひそかな人気です。香りや味をソーダの爽やかさと共に楽しむことができます。清々しい飲み口はきっとクセになりますよ。

まとめ

甲類焼酎と乙類焼酎(本格焼酎)を解説しましたが、違いは原料と製造方法にありました。そして、どちらにもそれぞれの良さがありましたね。名前で誤解されがちですが、決してそれぞれに優劣があるわけではありません。混和焼酎も含め、それぞれを飲み比べてみてもおもしろいかもしれません。


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