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【芋焼酎】薩摩乃薫 | 田村合名会社(鹿児島県指宿市山川)

2022-04-20

薩摩乃薫の田村合名会社

田村合名会社は、創業は、1897年(明治30年)。鹿児島の最南端に位置する指宿市の山川地区にあります。この地区は、水はけのよいサラサラしたシラス台地に覆われて芋焼酎の原料であるサツマイモの栽培に適しています。
また、サツマイモの発祥の地としても知られています。

きっかけはコロンブスの画像

サツマイモを普及させた前田利右衛門

サツマイモの発祥の地といわれるのは、サツマイモを普及させた第一人者である前田利右衛門が指宿市山川地区(旧:揖宿郡山川郷)出身だからです。

前田利右衛門は漁師をしていて、たびたび沖縄に行くことがありました。その際、沖縄でみかけたサツマイモを見て、鹿児島に持ち帰ろうと思いつきます。すると、持ち帰ったサツマイモは、非常な速さで各地に普及します。鹿児島の水はけのよいサラサラしたシラス台地は、サツマイモの栽培に最適だったのです。

サツマイモを普及させた第一人者である前田利右衛門は今でも人気です。指宿市山川地区には前田利右衛門の碑があり、毎年のサツマイモの収穫期には、新鮮なサツマイモが奉納されます。

黒麹を使用した「純黒」の画像

黒麹を使用した芋焼酎「純黒」

田村合名会社では、1990年に黒麹を使用した「純黒」を発売します。1990年といえば、麹菌の種類に白麹が広く使用されていた時期。焼酎の麹菌は長い間、黒麹が主流でしたが、白麹のさわやかでクリアな味わいが評価されて、黒麹はほとんど使用されていませんでした。
また、杜氏にとっても黒麹はやっかいなものでした。理由は、黒麹の黒い粉が舞い上かって、人も設備も黒くなり、たいへん扱いにくいから。

そんな時期に、田村合名会社では黒麹を使用した焼酎の発売を決めるのです。
クセのないクリアな白麹から、コクがありスパイシーで辛口な黒麹が求められていると確信したからだといいます。

しかし、その後の焼酎ブームでは、コクのある辛口の黒麹を使用した焼酎が見直されるようになったのです。田村合名会社の「純黒」は焼酎業界の先をいく焼酎だったのでした。

妥協をしない厳しい基準

創業以来の代表銘柄「薩摩乃薫」と、「純黒」は、どちらも一次仕込みは甕仕込みです。しかし、どこにも甕仕込みとは記載されていません。その理由は、二次仕込みはタンクを使用しているから。
田村合名会社が甕仕込みとラベルに記載しているのは、一次・二次とも甕で仕込んだ焼酎の「かめ壷仕込み純黒」と「鷲尾」だけなのです。焼酎のラベルの記載にまで、妥協をしない厳しい基準を作っています。この厳しい基準は、原料の選別から商品の品質管理まで一貫して貫かれていいます。

お湯割りの画像

薩摩乃薫(さつまのかおり)

今回、紹介する銘柄は「薩摩乃薫(さつまのかおり)」です。田村合名会社の創業からの代表銘柄です。原料は、毎朝契約農家から届けられる新鮮なサツマイモを選別処理しています。コクのある芋焼酎なので、飲み方はお湯割りがおすすめです。

〈銘柄の紹介〉
【薩摩乃薫 (さつまのかおり)】
田村合名会社/鹿児島県指宿市山川成川7351-2
主原料/芋(黄金千貫)
麹/白麹(米)
度数/25度
蒸留/常圧蒸留

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