焼酎のソーダ割りとは? その特徴から作り方までをご紹介します
焼酎のソーダ割りといえば、甲類焼酎を使用したチューハイをイメージされる方は多いと思います。甲類焼酎のソーダ割りの中にレモンなどの柑橘系を絞ると爽快な味わいがグッと増して美味しいですよね。しかし、ソーダ割りは甲類焼酎だけでなく、本格焼酎で割っても美味しいのをご存知ですか?
今回は本格焼酎を使用したソーダ割りをご紹介します。
目次
焼酎のソーダ割りは邪道な飲み方?
本格焼酎の特徴は原料や製法など数多いですが、飲み方の多彩さも注目です。
たとえば、コクのある伝統的な芋焼酎は、お湯割りやお燗。穏やかで落ち着いた味わいの米焼酎は、ストレート。クリアで爽快な麦焼酎は、水割りやロックが主流として飲まれています。
焼酎の長い歴史とともに、それぞれの個性にあった多彩な飲み方が普及してきました。
そんな本格焼酎の多彩な飲み方の中で、ソーダを使用したソーダ割りは邪道な飲み方とされてきました。
焼酎のソーダ割りは居酒屋で飲むチューハイのイメージが先行していたので、ソーダ割りは本格焼酎ではなく甲類焼酎向きの飲み方だとされてきたのです。
しかし、近年、本格焼酎酒蔵がソーダ割りを意識した焼酎を発売するようになりました。チューハイが本来の呼び方である「焼酎ハイボール」と呼ばれ、本格焼酎のソーダ割りへの抵抗感が少なくなったからです。実際、ソーダのシュワシュワ感は、焼酎のクリアな味わいとの相性がぴったりですよね。
ソーダ割りとチューハイの違いは?
甲類焼酎の飲み方といえば、人気なのがチューハイです。「サワー」と呼ぶ場合もありますが、チューハイとサワーは同じものであるといっても構いません。
「チュー」は焼酎の酎ですが、「ハイ」は「ハイボール」の「ハイ」です。つまり、「焼酎ハイポ一ル」が正しい呼び方。ハイボールとはウイスキーをソーダで割った昔からのお酒。ウイスキーの代用に焼酎を使用したのがチューハイなのです。
焼酎をソーダで割るチューハイは、東京下町の居酒屋が発祥と言われています。そのチューハイという名前が全国区になったのは、1984年に宝酒造から缶入りチューハイが発売されたのがきっかけ。焼酎の飲み方のひとつだったチューハイは、「缶チューハイ」として「缶ビール」と同様に飲み物のひとつの種類になったのです。その後、大手酒造メーカーが次々に参入。今ではRTDと呼ばれています。
焼酎のソーダ割りとチューハイの大きな違いは、酒税法の分類。酒税法上のチューハイは「リキュール類」となります。また缶チューハイのなかには、焼酎ではなくウォッカを使っているものもありますが、すべてチューハイと呼ばれています。
どんな焼酎と合う?
本格焼酎は、原料の種類や麹菌の種類、蒸溜の仕方の違い、貯蔵方法や熟成期間など、さまざまな要素によって風味や香りが変化するお酒です。まずは、原料の種類でソーダ割りに合う焼酎をご紹介していきます。
芋焼酎の品種
芋焼酎の原料はサツマイモです。サツマイモの品種は40種類以上ありますが、芋焼酎に使用されているサツマイモは黄金千貫(コガネセンガン)が主流です。黄金千貫(コガネセンガン)は、コクのある伝統的な芋焼酎に使用されて、ソーダ割りよりはお湯割りやロックがおすすめの飲み方。
一方、黄金千貫以外のサツマイモには、焼酎用に開発されたジョイホワイトやシロユタカ、ベニハルカなどがあります。ジョイホワイトやシロユタカ、ベニハルカの特徴は、フルーティーで穏やかな甘み。その味わいは、ソーダのシュワシュワ感ととても相性が良いので、ソーダ割りとしておすすめです。
鹿児島県屈指の焼酎メーカーである、さつま無双では、ソーダ割り用の芋焼酎「烏天狗しゅわしゅわ」を発売していますが、原料はシロユタカを使用しています。
麦焼酎の減圧蒸留
減圧蒸留を使用した麦焼酎はソーダ割りとの相性が良いです。
麦焼酎が有名な大分では、多くの焼酎を減圧蒸留で造っています。
減圧蒸留は70年代後半に生まれた、当時流行していた甲類焼酎に対抗するための蒸留方法。
蒸溜釜内部の圧力を下げることで低い温度で蒸溜します。沸点や揮発性の高い成分は蒸発せずにもろみのなかに残るため、クリアですっきりした酒質に。クセのない味わいは、ソーダ割りとの相性がとても良いです。
大分では、焼酎に名産のカボスを入れて飲みますが、焼酎のソーダ割りとの相性も良さそうです。
木樽熟成焼酎
木樽熟成焼酎はウイスキーと似ているので、ソーダ割りとの相性が良いです
蒸留した焼酎は酒質を安定させるために貯蔵しますが、昔から貯蔵にはタンクや甕が容器として使用されてきました。しかし、近年では、木樽で貯蔵熟成したプレミアム焼酎の「百年の孤独」が人気を博し、木樽を使用することも多くなりました。
木樽貯蔵熟成した焼酎は、ソーダ割りと相性の良いウイスキーのような味わいになります。貯蔵熟成中に木の香も移るので、ちょっと甘みのあるスモーキーな香りが生まれ、ウイスキーと似た味わいになるのです。また、色合いもウイスキーのようなに仕上がりになります。
美味しい焼酎ソーダ割りの作り方
ソーダ割りと合う焼酎が決まったら、美味しい焼酎の作り方をご紹介します。
①グラスに氷を入れる
市販されているロックアイスを使いましょう。おいしい水で作られた大きめの透き通った氷は格別です。
②焼酎と氷を混ぜる
大きめのロックグラスいっぱいに氷を入れたら、焼酎を注ぐ前にマドラーで1回転かき混ぜましょう。その時に氷が溶けるので、溶けた分は捨てます。その後、ゆっくりと焼酎を注ぎ入れます。
③ソーダは氷に当てて注ぐ
ソーダを注ぎます。ソーダの圧が抜けないようにゆっくりと氷に当てて注ぎましょう。
④混ぜすぎない
ソーダはシュワシュワ感が大切で。混ぜすぎないように注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか。本格焼酎の多彩な飲み方がまた一つと増えましたね。ソーダ割りは今まで甲類焼酎用の飲み方が主流でした。しかし、今後は本格焼酎のソーダ割りも、どんどん普及していくのではないでしょうか。
芋や麦、木樽熟成焼酎などソーダ割りと相性の良い焼酎で、ソーダ割りを楽しんでみてください。
この記事を書いた人
SHOCHU PRESS編集部
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