【麦焼酎】裏 杜康 | ぶんご銘醸(大分県佐伯市)
目次
ぶんご銘醸とは
ぶんご銘醸の歴史と大分の酒蔵
ぶんご銘醸は、大分県佐伯市にある日本酒兼業の酒蔵。今でこそ大分県は麦焼酎のメッカとして知られていますが、もともとは日本酒造りが盛んな地域。
ぶんご銘醸も日本酒酒蔵として1910年 (明治43年)に創業します。その後、1921年から焼酎を作り始めていますが、多くの日本酒酒蔵と同様、日本酒の醪(もろみ)を再利用した粕取り焼酎だったといいます。
1970年代後半の大分麦100%焼酎ブームは、大分の日本酒蔵に影響を与えます。
大分麦100%焼酎ブームを牽引したといわれる酒蔵は、もともと日本酒酒蔵だったので、大分の日本酒蔵は大いに刺激されたのでした。多くの日本酒酒蔵が追随して麦100%焼酎を作り始めます。
ぶんご銘醸も1984(昭和59年)以降は麦焼酎が主力となり、今日に至っています。
水資源に恵まれたぶんご銘醸
大分県佐伯市は、大分県の南東部に位置し、人口が約7万人、海岸線延長約270kmの九州で一番広い面積のまちです。祖母傾山系の山々や九州屈指の清流があり、海、山、川のすべての自然が詰まっています。
ぶんご銘醸が蔵を構える直川には、九州屈指の清流といわれる番匠川が流れています。川面にホタルが舞う川としても知られ、6月上旬になると西日本一といわれるほど多くのホタルが舞います。ホタルは水のきれいな河辺に生息する生き物なので、ホタルが舞うということは、水が澄んで清らかな水だという証。良いお酒を造るための大切な水資源に恵まれているということです。
ぶんご銘醸の革新性に焼酎ファンが期待
ぶんご銘醸の麦焼酎は、クリアで爽やかな麦焼酎から、コクがあって濃厚な味わいの麦焼酎までラインナップが豊か。もともと日本酒兼業蔵ということもあって、貪欲に麦焼酎の可能性を研究されているのが伺えます。
ぶんご醸造の焼酎造りで感じるのは、麦焼酎の後発蔵ならではの柔軟性です。日本酒造りで培った熟練の技術を生かして、さまざまな個性の焼酎を作り出しています。麹、原料、酵母、水の全てにこだわり、また新しい個性を生み出す革新性は、焼酎ファンの期待を背負っているといっていいでしょう。
ぶんご銘醸の焼酎造り
地域との深い信頼関係を大切した焼酎造り
ぶんご醸造の焼酎造りは、原料のこだわりからはじまります。早い時期から地元の農協などと連携し、地元の国産麦を使用した焼酎造りを進めていました。
山香町(現:杵築市山香町)の農協とタイアップした山香麦を使用した麦焼酎や、直川村(現:佐伯市)の大麦アサカゴールドを使用した麦焼酎を製造。
「近くの人が自分でつくった米や大麦をもちこんでもらい、焼酎を造る、参加型の焼酎造りを進めたいと思っています。これが本当のPB」といって蔵元では、地元産麦の使用を推進してきました。
大分県は麦焼酎の生産量が日本一ですが、その多くは外麦(そとむぎ)といわれるオーストラリアの輸入麦。安定した収量と流通、そして価格が安いためです。
ぶんご銘醸は何よりも、地域との深い信頼関係を大切した焼酎造りを心がけてきたといえるでしょう。
新しい違いを生み出す焼酎
ぶんご銘醸はアルコール発酵に必要な酵母にもこだわっています。酵母は糖分をアルコールに変える微生物で、焼酎酵母、清酒酵母、ワイン酵母、ビール酵母など酒の種類によって適した酵母があります。
一般的な焼酎酵母は「宮崎酵母」「熊本酵母」「焼酎用協会2号、3号」がありますが、2005年頃に作られた「杜谷」は、酵母に「花酵母(なでしこ酵母)」を使用。
焼酎の種類は、原料から蒸留法まで様々ですが、蔵元では酵母の種類によって違いを生み出す画期的な焼酎を作り出したのでした。
今回ご紹介するのは「裏 杜康 (うら とこう)」
今回ご紹介するのは、「裏 杜康 (うら とこう)」です。一般的な麦焼酎の持ち味であるクリアで爽快な味わいとは一線を画す、コクと濃厚さが身上の麦焼酎。コクと麦本来の味わいを前面に出すため、減圧蒸留ではなく常圧蒸留を採用。また、荒濾過に仕上げ、6年間かけた長期貯蔵熟成で酒質を整えています。
麦焼酎のトレンドを知る上で、大切な一本といえそうです。
飲み方は、ロックがおすすめです。今まで味わったことのない、濃厚な麦焼酎を感じることができるでしょう。
〈銘柄データ〉
【裏 杜康 (うら とこう)】
ぶんご銘醸/大分県佐伯市直川大字横川字亀の甲789番地4
主原料/麦(黄金千貫)
麹/白麹(麦)
度数/25度
蒸留/常圧蒸留
この記事を書いた人
SHOCHU PRESS編集部
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