米焼酎と日本酒は何が違う? その特徴からおすすめの飲み方まで
米焼酎と日本酒は何が違う? その特徴からおすすめの飲み方まで
「米焼酎と日本酒の違いは?」
「同じお米を原料としているけど、どのような違いがあるの?」
米焼酎と日本酒との違いをなんとなく把握しているが、具体的にどのような違いがあるのか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
特に、今まで日本酒を飲んできた人にとって、味わいや度数の違いについて気になるはず。
本記事では、米焼酎と日本酒の違いを徹底的に解説しました。
• 製造方法の違い
• 精米の割合の違い
• 使用しているお米の違い
• 度数の違い
• 日本酒みたいな米焼酎
• 米焼酎のおすすめの飲み方
この記事を読み終わるころには、米焼酎と日本酒の違いについて語れるはずです。
ぜひ、最後まで読んで米焼酎を楽しんでみてください。
目次
米焼酎とは?日本酒とは?
米焼酎とは文字通り「お米」を原料として造られた焼酎のこと。
一方、日本酒も「お米」を原料としています。
この章では、米焼酎と日本酒の基本的な特徴について解説します。
米焼酎の特徴
米焼酎は飲みやすく、フルーティーな香りが特徴的な焼酎です。
フルーティーな味わいは日本酒に通ずる部分があるので、日本酒好きの人は好みの味かもしれません。
また日本酒と異なり「蒸留」して造られているため、アルコール度数の高い(20〜25度程度)商品が一般的です。
そのため、ソーダ割りやロック、水割りなどさまざまな飲み方で楽しめるお酒なのです。
なお、米焼酎の発祥の地は熊本県「人吉球磨地方(ひとよしくまちほう)」。
この地で造られた米焼酎は「球磨焼酎(くましょうちゅう)」と呼ばれ、世界貿易機関(WTO)に「地理的表示の産地指定※」を受けており、国際的にブランドが保護されています。
指定された地域で生産されたお酒かつ、決められた製法で造られたお酒のこと。
これにより、産地はブランド価値を確立し、消費者は、一定の品質が担保されているため、信頼して購入できます。なお、世界の銘酒として認められた本格焼酎は下記の4つです。
• 壱岐焼酎(いきしょうちゅう)
• 球磨焼酎(くましょうちゅう)
• 琉球泡盛(りゅうきゅうあわもり)
• 薩摩焼酎(さつましょうちゅう)
日本酒は醸造酒
日本酒は「醸造酒(じょうぞうしゅ)」という製造方法で造られています。
「醸造酒」とは、原料の果物や穀物を酵母により発酵させて造るお酒のこと。
たとえば日本酒の場合、原料である米には「糖」が含まれており、酵母が糖に反応してアルコールが生成されます。
つまり醸造酒は、アルコール発酵したままの状態で飲まれるお酒です。
なお、代表的な醸造酒を下記にまとめてみました。
• 日本酒
• ビール
• ワイン
• シードル
普段、好んでいるお酒が「どのような製造方法なのか?」を知るだけで、お酒を飲む時の楽しみが広がりますので、気になった時は調べてみても良いかもしれません。
米焼酎と日本酒の違いとは?
同じ原料である「お米」を使っていますが、実は精米の割合や使用しているお米に大きな違いがあります。
どのような違いがあるのかみていきましょう。
製造法の違い
米焼酎と日本酒の違いは「醸造酒なのか、蒸留酒なのか」という点です。
前述したとおり、日本酒は醸造酒であり、米をアルコール発酵させて造られていますが、米焼酎は醸造されたお酒を「蒸留機」に移し、蒸気を吹き込んで加熱します。
沸騰させることによって出る蒸気を冷却すると、透明な液体が落ちてきます。これが焼酎の原酒です。
なお、蒸留したての焼酎の度数は36度〜38度が一般的。
そのため日本酒よりも米焼酎のほうが高いアルコール度数なのです。
話を戻しますと、米焼酎と日本酒の違いは「蒸留」しているのか、していないのか、ということになります。
精米の割合
米焼酎と日本酒は下記のとおり、精米の割合が異なります。なお、精米は米の外側を削り落とすこと。
• 米焼酎:一般的に10%~15%
• 日本酒:一般的に50%以下
同じお米を使うのになぜ、精米の割合が違うのでしょうか。
それは、お米の外側に含まれる「たんぱく質や脂質」が関係しています。
日本酒造りでは、一般的にたんぱく質や脂質は味に影響するため、不要とされています。
一方、米焼酎の場合、たんぱく質や脂質は味を良くするための成分として必要な栄養素なのです。
米焼酎は食用米
米焼酎に使われるお米は「あきたこまち」や「コシヒカリ」などの食用米を使って造られています。
中でも、九州地方を中心に栽培している「ヒノヒカリ」という品種が一般的。
一方、日本酒に使われるお米は「酒米(さかまい)」や「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」と呼ばれる、日本酒造り専用のお米を使っています。
なお、酒米として最も聞き覚えのあるお米は「山田錦(やまだにしき)」ではないでしょうか。
このように米焼酎と日本酒では原料米に違いがあるのです。
米焼酎と日本酒の度数は
米焼酎と日本酒の度数の違いについて解説します。
どのような違いがあるのでしょうか。
さっそく、みていきましょう。
日本酒の度数は13度~15度
市場に流通している日本酒のほとんどは、13〜15度程度が平均です。
日本酒の原酒の度数は、おおよそ20%前後で、濃醇(のうじゅん)かつ個性的な味わい。
販売するのにあたり、それぞれの蔵元が原酒に加水をし、度数を調整しています。
なお、日本酒(清酒)とラベルに表記されているものはすべて、22度未満です。
これは、後述する「酒税法」が関係しています。
焼酎の一般的な度数は25度
米焼酎に限らず市場に流通している焼酎の度数は25度が一般的です。
日本酒と比べると10度前後、度数が違うことが分かります。
なお、米焼酎の上限値は酒税法の定義により45度未満とされています。
20度や40度の焼酎も
焼酎の中には、20度や40度の焼酎もあります。
20度の焼酎は、25度の焼酎よりもなめらかな味わいなので、ストレートで飲むのに適しています。
なお、焼酎で有名な宮崎県では、ストレートで焼酎を飲む文化があるため、20度の焼酎が好まれているんだとか。
一方、40度の焼酎は加水する前の原酒なので、焼酎本来の味わいを楽しめます。
重厚な味わいを堪能できるため、ロックでゆっくりと飲みたいときにおすすめです。
酒税法上の規制
ここまで、米焼酎と日本酒の一般的な度数について解説してきました。
なぜ、日本酒は13度〜15度で米焼酎は25度なのでしょうか。
どちらも酒税法上の規制が関係しています。
米焼酎と日本酒の現在の酒税法と旧酒税法を下記にまとめました。
・現在の酒税法:アルコール度数22度未満まで一律同額
・旧酒税法(2006以前):アルコール度数16度未満まで一律同額【焼酎】
・現在の酒税法:アルコール度数20度まで一律同額
・旧酒税法(1940以前):アルコール度数25度まで一律同額
どちらも旧酒税法の名残があるため「日本酒は13〜15度」「焼酎は20〜25度」が主流になったと考えられます。
それぞれ1度上がるごとに税率が加算されるため、度数ギリギリに収めようとするのは、当然だったのかもしれません。
日本酒みたいな米焼酎
ここでは、日本酒みたいな米焼酎を3つ紹介します。
どれも、日本酒を彷彿とさせるような米焼酎をピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてください。
鳥飼
熊本県の米焼酎「吟香 鳥飼(ぎんか とりかい)」。
鳥飼はフルーティーな味わい、香りが広がる焼酎で、まるで吟醸酒を彷彿とさせるような米焼酎です。
上品な味わいなので、ロックで飲むのがおすすめ。
白岳
熊本県の米焼酎「白岳(はくたけ)」。
白岳は口当たりがよく、淡麗な味わいで、飽きがこない米焼酎です。
そのため、食中酒として飲むのがおすすめ。
なお白岳は、酵母を変えた「銀しろ」、樽熟成させた「金しろ」など、複数のラインナップが用意されています。
ぜひ好みの白岳シリーズを探してみてください。
獺祭
山口県の米焼酎「獺祭(だっさい)」。
獺祭と聞くと、日本酒を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
そんな獺祭の米焼酎は、まろやかな口当たりに加え、吟醸酒のよさがあり、すっきりとしたキレのよい味わいが楽しめます。
アルコール度数は39度と、焼酎の中でも高いためロックやハイボールとして飲むのがおすすめ。
米焼酎のおすすめの飲み方
では、米焼酎のおすすめ飲み方を紹介します。
自分好みの飲み方を探してみてください。
米焼酎はロックがおすすめ
米焼酎の味を最大限楽しむなら、ロックがおすすめです。
氷によって冷えるため、米本来の甘みが締まり、より美味しさを堪能できます。氷が溶ける前後の味わいの変化を楽しめるのもポイント。
なお、小さい氷はすぐに溶けてしまうため、できるだけ大きい氷を使いましょう。
食中酒として
米焼酎はクセが少なく、香りが特徴的なので、食中酒としての相性は抜群です。
割り方は食事内容に合わせたり、その日の気温に合わせたりするのがおすすめです。
なお、水割りやお湯割り、ソーダ割りなどする際は、ぜひ定番である「ロクヨン(6:4)」で楽しんでみてください。
まとめ
本記事では、米焼酎と日本酒の違いについて、わかりやすく解説してきました。
米焼酎は日本酒と比べて度数や製法に違いがあります。
米焼酎 | 日本酒 | |
---|---|---|
度数 | 20度〜25度 | 13度〜15度 |
製造方法 | 蒸留酒 | 醸造酒 |
原料のお米 | 食用米 | 酒米 |
精米の割合 | 一般的に10%~15% | 一般的に50%以下 |
また、米焼酎のなかには日本酒を彷彿とさせるお酒もあるので、日本酒好きなら、きっと米焼酎を好きになるかもしれません。
ぜひ、本記事で紹介した米焼酎をきっかけに、さまざまな米焼酎を探してみてください。
この記事を書いた人
清水 洋希
埼玉県在住のフリーランスライター。居酒屋でたまたま飲んだ芋焼酎(赤兎馬)をきっかけに、焼酎にどハマり。すぐに関連書籍を読みあさる。その後、定番の焼酎をはじめ、さまざまな焼酎を嗜む。| 焼酎の魅力を1人でも多くの方に伝えられるように、執筆してまいります!
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