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日本の焼酎・泡盛、国際的な評価を獲得 「スピリッツ・セレクション 2025」で快挙

日本の焼酎・泡盛、国際的な評価を獲得 「スピリッツ・セレクション 2025」で快挙

鹿児島県の「知覧Tea酎」が最高位の「レベレーション(Revelation)」賞を受賞

メキシコ、ハリスコ州 – 2025年9月10日 – 2025年9月8日から10日までメキシコのハリスコ州で開催された国際的な蒸留酒コンペティション「スピリッツ・セレクション(Spirits Selection)」で、日本の焼酎・泡盛が世界的な評価を獲得しました。複数の日本の焼酎と泡盛ブランドがメダルを獲得し、特に鹿児島県知覧町の知覧醸造が手掛ける緑茶焼酎「知覧Tea酎」が、同コンペティションで最も栄誉ある「レベレーション(Revelation)」賞を受賞しました。

「レベレーション」賞は、国際審査員団によるブラインドテイスティングで満場一致の評価を得たスピリッツにのみ贈られる最高位の栄誉です。通常、世界で受賞するのは年間10銘柄以下、かつ各カテゴリーで1銘柄のみとなっています。「知覧Tea酎」の受賞は、非の打ち所がない技術的な完成度と、スタイル・産地を象徴する独自性が認められた証といえます。

今年の受賞結果は、日本からの参加が歴史的に急増したことを反映しています。2025年の日本からのエントリー数は過去最多の39銘柄に達し、これは過去数年のエントリー数から見ても著しい増加です。この成長は、日本の伝統的な蒸留酒に対する国際的な認知が大きく変化していることを示しています。

「日本の生産者はスピリッツ・セレクション 2025にただ参加しただけでなく、審査員に感銘を与えました」と、スピリッツ・セレクションのディレクター、ウルリック・ナイス氏は語ります。「国際審査員団は、日本の蒸留酒の卓越した品質とオーセンティシティ(真正性)を高く評価しました。まさにこうした有機的で信頼性の高い評価が、日本の蒸留家にとって世界市場への扉を開くのです」

ナイス氏は、同コンペティションが日本とその蒸留文化に強くコミットしていることを強調しました。「日本のスピリッツ文化は並外れており、何世紀にもわたる醸造・蒸留の伝統は、もっと世界に知られるべきです。近年、日本のウイスキーはすでに世界的な評価を獲得していますが、焼酎や泡盛といった伝統的な蒸留酒は、全く異なる次元の日本の職人技を体現する存在として、ようやく世界が注目し始めたところです」

鹿児島の知覧醸造による「知覧Tea酎」の快挙は、同社が伝統的な焼酎造りの技法の中で品質と革新を追求してきたことが反映された結果です。この受賞は、伝統的な技法と現代的な感性のバランスを取るという同ブランドのアプローチを証明するものとなりました。

実はこの快挙は今年始まったことではありません。
近年、九州から奄美、沖縄にかけての蒸留所が、スピリッツセレクションで相次いで高評価を得ています。

2024年には宮崎の松露酒造「Colorful」が同レベレーション賞を受賞。
同年、宮崎の古澤醸造「Mahoko」が金賞を受賞し、2025年には「Mahoko」と「Motoko」の2銘柄が銀賞に輝きました。

2025年の今年は、奄美大島開運酒造の「紅さんご」と高橋商店の「繁桝粕とり焼酎」、ぶんご銘醸の「産声」が金賞を獲得。忠孝酒造の「よっかこうじ」、三和酒類の「iichiko Premium」も銀賞を受賞しています。
沖縄の泡盛から九州本土の伝統的な粕取り焼酎まで、多様な製法とスタイルが国際的に評価されたことになります。

スピリッツ・セレクションでは、40カ国以上から集まった150名超の専門家(蒸留家、流通業者、ジャーナリスト、教育者など)による国際審査団が、出品された蒸留酒をブラインドテイスティングで評価します。本コンペティションは、マーケティングやパッケージの魅力に対してメダルを授与するのではなく、独自の「スピリッツ・ガイドライン」に基づき、各スピリッツのカテゴリーにおける技術的な完成度、バランス、オーセンティシティを審査します。受賞するのは上位30%のみとなっているため、メダルの獲得がプロからの真の評価を保証するものとなっています。

「すべてのメダルの裏には、ブランド名、産地、パッケージを伏せた状態で行われる厳正なテイスティングがあります」とナイス氏は説明します。「レベレーション賞を受賞するには、審査員全員の満場一致が必要です。これは物語ではなく本質を重視する、真に優れた蒸留酒への評価なのです」

2025年のコンペティションは、国際舞台における日本の蒸留酒にとって転換点となります。業界関係者は、日本からのエントリー増加が、特にアジア、欧州、北米などの新興市場において、こうしたブラインドテイスティングのコンペティションでの国際的な評価が市場での地位を高めうるという、生産者側の意識の高まりを反映していると見ています。

スピリッツ・セレクションは近年、中国、メキシコ、イタリアなどで国際コンペティションを開催し、開催国の生産者ネットワークと国際市場へのアクセスを強化してきました。同組織は、今後の日本での開催にも関心を示しており、実現すれば世界のスピリッツコミュニティが日本の蒸留文化を直接体験する機会となるでしょう。

スピリッツ・セレクション(Spirits Selection)について スピリッツ・セレクションは、厳正なブラインドテイスティングと専門家による評価を通じて、蒸留酒製造の卓越性を認定することに特化した独立系の国際コンペティションです。透明性と真正性の原則に基づいて設立され、毎年40カ国以上から専門審査員を招き、複数のカテゴリーのスピリッツを評価しています。スピリッツ・セレクションは、世界の蒸留酒の伝統の多様性を尊重しつつ一貫性を確保するために開発された独自の包括的な「スピリッツ・ガイドライン」を持つ、唯一の国際的なスピリッツコンペティションです。

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