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大正・昭和の焼酎史|戦争と不況の時代を生き抜いた庶民の酒

本格焼酎とは?醸造酒・蒸留酒の違いと焼酎の種類をわかりやすく解説

「本格焼酎とは何か?」と聞かれて、すぐに説明できる人は意外と多くありません。
焼酎は日本を代表する蒸留酒ですが、その成り立ちや種類、甲類・乙類の違いを正しく理解すると、味わい方も選び方もぐっと楽しくなります。
ここでは、酒の基本分類から、蒸留酒としての焼酎の特徴、さらに本格焼酎(乙類)と甲類焼酎の違いまでを、できるだけわかりやすく解説していきます。

酒は大きく3種類に分けられます|醸造酒・蒸留酒・混成酒

酒は製造方法の違いによって、次の3つに大別されます。

・醸造酒
・蒸留酒
・混成酒(リキュール類)

醸造酒とは|発酵によって造られる酒

醸造酒とは、米・麦・果実などを発酵させ、その液体をこしたり搾ったりして造るお酒です。
酵母という微生物が糖分をアルコールと炭酸ガスに分解することで生まれます。

代表的な醸造酒には、次のようなものがあります。
・日本酒(清酒)
・ビール
・ワイン
・中国酒(黄酒・紹興酒など)
世界各地にその土地ならではの醸造酒があり、酒は「文化のバロメーター」ともいわれています。

蒸留酒とは|発酵液をさらに蒸留した酒

蒸留酒は、いったん発酵させた液体を加熱し、アルコールを蒸気として取り出し、冷やして液体に戻したお酒です。
この「蒸留」という技術は、紀元前3000年頃のメソポタミア文明ですでに存在していたと考えられています。

代表的な蒸留酒には、
・ウイスキー
・ブランデー
・ラム
・ジン
・ウォッカ
・テキーラ
・焼酎・泡盛
・中国の白酒(高粱酒・茅台酒など)

があります。
蒸留酒は醸造酒に比べてアルコール度数が高く、腐敗しにくいという特徴があります。
そして、焼酎はこの「蒸留酒」に分類されるお酒です。

混成酒とは|蒸留酒をベースにしたお酒

混成酒とは、蒸留酒に果実・香草・糖分などを加えて造られるお酒で、一般的に「リキュール類」と呼ばれます。

たとえば、
・梅酒
・ハーブリキュール
・カカオリキュール
・ミントリキュール

などが該当します。もともとは薬酒や強壮酒として発展した歴史を持っています。

焼酎は蒸留方法で2種類に分かれます|甲類と乙類

焼酎は蒸留酒ですが、実は製法の違いによって大きく2種類に分かれます。
・甲類焼酎(新式焼酎)
・乙類焼酎(旧式焼酎)=一般に「本格焼酎」と呼ばれるもの

これは税法上の分類でもあり、「新式・旧式」「甲類・乙類」は同じ意味で使われています。
優劣ではなく、造り方と酒質の違いを表しています。

甲類焼酎とは|クセがなくクリアな焼酎

甲類焼酎は、連続式蒸留機を使って造られます。
この蒸留機は構造が非常に精密で、発酵液を連続的に蒸留し、高純度のアルコールを取り出すことができます。

特徴は次の通りです。
・アルコール度数が非常に高い状態(90%以上)で抽出される
・不純物や香味成分がほぼ取り除かれる
・無味無臭に近い酒質になる

そのため、市販される際は水で薄めて25〜35%程度に調整されます。
甲類焼酎はクセがなく、酎ハイ・サワー・梅酒用など、割り材として使いやすい焼酎です。

本格焼酎(乙類)とは|香りと味わいを楽しむ焼酎

一方、本格焼酎(乙類)は、単式蒸留機で造られます。
一定量のもろみを一釜ずつ蒸留する方法で、原料の成分が酒に残りやすいのが大きな特徴です。

本格焼酎の特徴は、
・原料の香りや甘みが残る
・芋・麦・米などの個性がはっきり出る
・蒸留直後は荒いが、熟成でまろやかになる
という点にあります。

蒸留直後は白く濁り、香りが強く感じられることもありますが、貯蔵・熟成を経ることで透明になり、丸みのある味わいへと変化していきます。
この熟成過程こそが、本格焼酎ならではの大きな魅力です。

なぜ「本格焼酎」は風味が豊かなのか

本格焼酎は、甲類焼酎のように成分を徹底的に取り除かないため、
・高級アルコール類
・エステル類
・脂肪酸類
といった香味成分が残ります。
この成分こそが、芋焼酎の甘い香り、麦焼酎の香ばしさ、米焼酎のやわらかさを生み出しています。

白く濁ることがあるのも、これらの成分によるもので、品質が悪いわけではなく、むしろ風味の証といえます。

本格焼酎は「味わう酒」です

甲類焼酎は合理的に造られたクリアな酒ですが、本格焼酎は原料・麹・発酵・蒸留の技術によって個性が大きく変わります。

酒は単に酔うための飲み物ではなく、香りや味を楽しむ嗜好品です。
その意味で、本格焼酎はまさに「味わうための蒸留酒」といえる存在です。
芋・麦・米・黒糖…。
それぞれの土地の風土と技術が詰まった一本を、ぜひじっくりと楽しんでみてください。

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