
甲類焼酎・乙類焼酎(本格焼酎)とは?違い・製法・歴史をわかりやすく解説
「甲類焼酎と乙類焼酎は何が違うのか?」
この疑問は、焼酎を飲み始めた人が必ず一度はぶつかるテーマです。実はこの分類は味の優劣ではなく、酒税法上の製法の違いによって定められたもの。そこには、日本の焼酎文化と業界の歴史が色濃く反映されています。
目次
焼酎は酒税法で「甲類」と「乙類」に分けられている
焼酎は、発酵した原料を蒸留して造られる蒸留酒です。
酒税法では、製造方法の違いによって次の2つに分類されています。
◆甲類焼酎:連続式蒸留器で造られる焼酎
◆乙類焼酎:単式蒸留器で造られる焼酎(現在は「本格焼酎」と呼ばれる)
一般に流通している「本格焼酎」という呼び名は、もともと酒税法上の正式名称ではなく、昭和期に乙類焼酎メーカーが自らの誇りを込めて使い始めた呼称です。
乙類焼酎はなぜ「本格焼酎」と呼ばれるようになったのか
かつて、酒税法では「甲」「乙」という表現が使われていましたが、
これが「甲=上、乙=下」という誤解を生み、乙類焼酎は不当に低く見られる時代がありました。
これに異を唱えたのが、宮崎県・霧島酒造の江夏順吉氏らです。
昭和34年、「乙類焼酎を“本格焼酎”と呼ぼう」という運動が起こり、
現在では法令上も「本格焼酎」の表示が正式に認められています。
ここには、「スコッチやコニャックに並ぶ蒸留酒文化を築く」という強い想いが込められていました。
本格焼酎(乙類焼酎)の製法と特徴
本格焼酎は、単式蒸留器を用いて造られます。
原料は、さつまいも・麦・米・そば・黒糖など多彩で、米麹と水を加えて発酵させた「もろみ」を蒸留します。
単式蒸留の特徴は、
✔ 原料由来の香りや旨み成分が残る
✔ 蔵ごとの個性が出やすい
✔ 風味に厚みがあり、飲み方の幅が広い
江戸時代から使われてきた「らんびき」や「カブト釜」は、現在の単式蒸留器の原型で、本格焼酎の製法は400年以上の歴史を持っています。
蒸留後は一定期間貯蔵・熟成され、水で度数調整を行い、20度・25度・30度などの商品になります。
甲類焼酎の製法と特徴
甲類焼酎は、連続式蒸留器で蒸留されます。
発酵液を連続的に蒸留し、不純物を極限まで取り除くことで、アルコール度数95%前後の高純度アルコールを得ます。
これを水で薄めたものが甲類焼酎です。
特徴は、
✔ 無色透明・無臭に近い
✔ 味や香りにクセが少ない
✔ チューハイ・果実酒ベースに適する
現在では、家庭用焼酎だけでなく、梅酒やリキュールのアルコール原料としても幅広く使われています。
味の違いは「蒸留方法」が決めている
本格焼酎と甲類焼酎の最大の違いは、蒸留の考え方にあります。
本格焼酎:→ 風味成分を“残す”蒸留
甲類焼酎:→ 風味成分を“取り除く”蒸留
その結果、本格焼酎は「原料の個性を楽しむ酒」、
甲類焼酎は「割って使うベースの酒」として発展してきました。
どちらが上という話ではなく、役割が違う酒なのです。
世界に通用する蒸留酒へ。本格焼酎の現在地
現在、本格焼酎業界では「世界の蒸留酒の一つとしての地位確立」を目指し、
定義の明確化や表示制度の整備が進められています。
スコッチやテキーラのように、
「産地・原料・製法」に裏打ちされた酒として、本格焼酎を世界へ──
その動きはいまも続いています。
この記事を書いた人
SHOCHU PRESS編集部
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