
宮崎の人は、晩酌のことを「ダレヤミ」と呼びます。
宮崎には、焼酎のある暮らしをそのまま言葉にしたような方言があります。
それが「ダレヤミ」。
夕方になって、仕事や家事を終えて、
「さて、ダレヤミしよか」
そんなふうに使われる、宮崎ならではの言葉です。
意味は、いわゆる“晩酌”。
でも、ただお酒を飲む、というよりも——
一日の疲れをほどいて、気持ちをゆるめる時間。
それがダレヤミです。
「ダレヤミ」は、“疲れを止める”という意味の言葉
「ダレヤミ」は、「ダレ(疲れ)」を「ヤミ(止める)」からきた言葉だと言われています。
もともとは、“疲れを止めること”“ひと休みすること”という意味でした。
それがいつしか、夕方にお酒を飲んで、ふっと肩の力を抜く時間のことを「ダレヤミ」と呼ぶようになっていったのです。
宮崎の人にとってダレヤミは、一日の終わりの合図のようなものかもしれません。
ダレヤミと言えば、やっぱり焼酎
いまでも宮崎で「ダレヤミ」と言うと、多くの人が思い浮かべるのは、焼酎です。
ビールやワインの場面で使うと、少ししっくりこない。
それくらい、「ダレヤミ」という言葉は、焼酎と一緒に生きてきました。
南九州では昔から、米が貴重だった時代にも、芋や雑穀で焼酎を造り、人々はそれを日々の酒として飲んできました。
焼酎は、特別な日の酒ではなく、毎日をねぎらう酒。
ダレヤミという言葉が生まれたのも、きっとそんな暮らしの中だったのでしょう。
宮崎の気質と、ダレヤミの距離感
宮崎には「よだきい」という言葉があります。
「なんだか気だるいな」「ちょっとおっくうだな」そんな気分を表す言葉です。
宮崎の人は、疲れた自分をあまりごまかさず、「今日はよだきいねえ」と口に出します。
ダレヤミは、そんな“だれ”を抱えたまま、焼酎を一杯注いで、いったん深呼吸する時間。
頑張りすぎず、引きずりすぎず、「まあ、とりあえず一杯やろか」そんな優しい区切りです。
ダレヤミは、明日のための晩酌
ダレヤミは、現実から逃げるための酒ではありません。
むしろ、ちゃんと現実に戻るための酒。
今日の疲れを今日のうちにほどいて、また明日を迎えるための、小さな習慣です。
宮崎で焼酎が愛され続けてきたのは、酔うためではなく、整えるためだったのかもしれません。
焼酎を飲む時間が、文化になった土地
「ダレヤミ」という言葉には、宮崎の気候、歴史、人柄、そして焼酎のある暮らしが、そのまま閉じ込められています。
焼酎を飲むというより、焼酎のある時間を過ごす。
もし宮崎の焼酎を飲む機会があったら、その一杯を、ぜひ「ダレヤミ」だと思ってみてください。
きっと、味わいが少しやさしくなるはずです。
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SHOCHU PRESS編集部
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