
甲類焼酎の製造工程|連続式蒸留で生まれるクリアな味わいの仕組み
甲類焼酎は、クセが少なく飲みやすい味わいと手頃な価格で人気のあるお酒です。
酎ハイやカクテルのベースとしても広く使われ、日本の酒文化の中で大きな役割を担っています。
では、この甲類焼酎はどのように造られているのでしょうか。
ここでは、甲類焼酎の原料から蒸留、仕上げまでの製造工程をわかりやすく紹介します。
目次
甲類焼酎の主な原料
甲類焼酎の原料には、主に次のようなものが使われます。
・甘藷(さつまいも)などの澱粉質原料
・穀類(主に大麦など)
・砂糖製造の副産物である糖蜜
場合によっては、精選された二条大麦が使われることもあります。
これらの原料に含まれる糖分を酵母が発酵させることで、アルコールが生まれます。
糖化工程|澱粉を糖に変える
アルコール発酵は、糖分がなければ起こりません。
しかし、穀類や芋などの原料には澱粉が多く含まれており、そのままでは発酵できません。
そのため、まず澱粉を糖に分解する「糖化」という工程が必要になります。
連続式蒸留機で造るお酒の糖化工程では、原料を粉砕し、水を加えて圧力釜で蒸煮します。
こうして澱粉を分解しやすい状態にした後、糖化を進めます。
ヨーロッパでは麦芽を使った糖化が一般的で、ビールやウイスキーはこの方法で造られます。
一方、日本を含む東アジアでは麹菌を利用した糖化方法が発達しました。
連続式蒸留機では、液体麹(白麹菌や黒麹菌)や酵素を使って糖化を行うことがあります。
なお、原料が糖蜜の場合はすでに糖分が含まれているため、加水した後に直接発酵工程へ進みます。
発酵工程|酵母がアルコールを生み出す
糖化した原料に、純粋培養した酵母(酒母)を加えると発酵が始まります。
発酵は通常4〜5日ほどで進み、アルコールを含んだ「もろみ」が完成します。
もろみのアルコール度数は原料によって異なります。
・澱粉質原料(麹・麦芽を加えたもの):7〜9%
・糖蜜原料(ブドウやサトウキビなど):12〜13%
この段階ではまだアルコール濃度が低いため、次に蒸留工程へ進みます。
蒸留工程|連続式蒸留機で高純度アルコールを得る
甲類焼酎の最大の特徴は、連続式蒸留機による蒸留です。
発酵したもろみは連続式蒸留機に送られ、蒸発と凝縮を何度も繰り返しながらアルコールが濃縮されていきます。
蒸留装置には100以上の蒸留棚が積み重なっていることもあり、アルコールは段階的に濃縮されます。
そのため、最終的にアルコール度数約96%の高純度アルコールが得られます。
この工程によって、甲類焼酎特有のクセのないクリアな味わいが生まれます。
連続式蒸留機の仕組み
連続式蒸留機は、複数の蒸留塔から構成され、それぞれ異なる役割を担っています。
主な機能は次の通りです。
回収区分
もろみ中の水分や固形分とアルコールを分離します。
濃縮区分
アルコールを高濃度に濃縮し、不純物であるフーゼル油を分離します。
抽出区分
アセトアルデヒドやケトン類などの低沸点不純物を取り除きます。
精製区分
アルコールからメタノールなどの成分を分離します。
不純物処理区分
残った不純物をさらに濃縮し、そこに含まれるアルコールを回収します。
さらに減圧蒸留塔を使うことで、プロパノールなどの中沸点成分も分離しやすくなります。
こうした複雑な蒸留工程によって、高純度のアルコールが造られるのです。
割水・濾過・調熟
蒸留された高純度アルコールは、そのままではアルコール度数が高すぎるため、水を加えて調整します。
その後、活性炭などで濾過し、酒質を整えます。メーカーによっては、ステンレスやホーローのタンクで一定期間貯蔵し、水とアルコールをなじませる工程を行うこともあります。
また、複数の原酒をブレンドすることで、味わいのバランスを整えます。この配合は各メーカーの重要なノウハウとされています。
樽貯蔵による熟成
甲類焼酎の中には、ホワイトオークの樽で貯蔵するタイプもあります。
半年から一年ほど樽で熟成させることで、原酒はさらにまろやかになり、香りや味わいに奥行きが生まれます。
甲類焼酎の魅力
こうして完成した甲類焼酎は、純度が高くクセの少ない味わいが特徴です。
そのため、酎ハイやカクテル、果汁やリキュールとのミックスなど、さまざまな飲み方に適しています。
甲類焼酎はシンプルでありながら、自由な楽しみ方ができるお酒といえるでしょう。
この記事を書いた人
SHOCHU PRESS編集部
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