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焼酎に合う料理とは?肴の基本と鹿児島に学ぶペアリング文化

焼酎に合う料理とは?肴の基本と鹿児島に学ぶペアリング文化

「焼酎にはどんな料理が合うのか?」
この疑問に答えるヒントは、実は焼酎文化の原点・鹿児島の食卓にあります。

焼酎はもともと、豪華な酒肴と合わせる酒ではありませんでした。
堅実な暮らしの中で、体を癒し、英気を養う酒として飲まれていました。
どちらかというと焼酎に寄り添ってきたのは、素材を活かした素朴な料理だったのです。

本記事では、鹿児島の伝統的な肴をひも解きながら、「焼酎と料理のペアリングの基本」、「なぜ焼酎にはシンプルな料理が合うのか」
を分かりやすく解説していきます。

焼酎の肴は輪郭のはっきりした素朴な味がよく似合います

焼酎の肴に「ハイカラ料理」はいらない
焼酎は、もともと鹿児島や宮崎といった堅実な生活環境の中で育まれてきたお酒です。
この地方でのかつての主食はカライモ(さつまいも)や雑穀。
食事は決して華やかとはいえませんでした。
焼酎を飲むことは、つつましい生活の中での肉体的、精神的ストレスを解消し、活気を取り戻すための手段でもあったのです。
したがって焼酎の肴に、特別な注文はなかったといいます。
焼酎は、生活の中の酒、体を労わる酒であり、主役はあくまで「酒」。
料理は引き立て役だったのです。

そのため焼酎には、フレンチや濃厚な洋食のような作り込んだ味よりも、
「塩味」、「発酵」、「乾物」、「魚介」といった輪郭のはっきりした素朴な味がよく似合います。

焼酎に合う鹿児島の伝統的な肴

焼酎に合う料理はどのようなものでしょうか。
かつて鹿児島で、選ばれてきた伝統的な肴をご紹介していきましょう。

キビナゴ

キビナゴの刺身|焼酎文化を象徴する魚

鹿児島を代表する焼酎肴が「キビナゴ」。
体長7〜8cmほどの小魚で、銀色に輝く美しい魚です。
刺身にして菊の花のように盛り付け、酢味噌や酢醤油で食べるのが定番。
「脂が軽い」、「酸味と相性がいい」、「クセがなく焼酎を邪魔しない」のが味わいの身上。
まさに、焼酎のための刺身です。

ガランツ(干物)|焼酎と乾物の黄金関係

ガランツ(干物)|焼酎と乾物の黄金関係
「ガランツ」とは、日干しにした魚のこと。
イワシやウルメを干し上げ、焼いてかじりながら焼酎を飲むのが昔のスタイル。
乾物特有の「旨味の凝縮」、「塩味」、「香ばしさ」は、芋焼酎・麦焼酎どちらとも相性抜群。
“焼酎=干物”は、理にかなった組み合わせなのです。

ツケアゲ(さつま揚げ)|魚の旨味を油で閉じ込めた肴

他県でいう「さつま揚げ」を、鹿児島では「ツケアゲ」と呼びます。
魚のすり身に豆腐などを混ぜ、こんがり揚げた保存食。
揚げたてはもちろん、冷めても、焼いても、煮ても合う万能肴。
「魚の旨味」と「油のコク」、「ほどよい甘み」が焼酎の香りを引き立てます。

カツオ料理|焼酎とタンパク質の好相性

カツオ
枕崎・山川を中心に、鹿児島はカツオ文化の土地。
「カツオのタタキ」、「腹皮(塩干し)」、「内臓の塩辛」など、余すところなく肴にしてきました。
特にタタキは、表面だけを焼くことで生臭さが消え、焼酎と抜群に合います。

一口ダコ|春限定の焼酎肴

全長3cmほどの小さなタコ。
熱湯にさっとくぐらせ、生醤油で食べるのが定番。
ミネラル感のある旨味は、軽めの芋焼酎と好相性といえそうです。

とんこつ料理|焼酎で完成する郷土料理

豚骨付き肉を焼酎で炒り、味噌や砂糖で長時間煮込む「とんこつ」。
実はこの料理は、先に焼酎を加えることで肉が締まり旨味が閉じ込められる、という焼酎ありきの料理です。
脂・甘み・発酵が重なる濃厚な味わいは、ロックやお湯割りの芋焼酎と抜群に合います。

鶏刺し|鹿児島ならではの肴文化

鹿児島では、鶏肉を刺身で食べる文化があります。
「ささみ」、「むね」、「砂肝」、「肝」、などを新鮮なうちに提供。
淡白さと歯ごたえが焼酎の香りを引き立てます。

ニガゴイとヘチマ|焼酎に合う“苦味”

ニガゴイ(ゴーヤ)やヘチマを油炒めにし、味噌や醤油で食べる。
「苦味」「青さ」「油分」この組み合わせは、実は焼酎と非常に相性がいいのです。
苦味はアルコールの甘みを引き出して、油は香りを伸ばすがその理由。
夏の焼酎肴の理想形といえそうです。

焼酎ペアリングの基本|鹿児島文化から学べること

鹿児島の肴に共通するのは、
・素材がシンプル
・味が強すぎない
・塩味/乾物/発酵/脂
・保存食が多い
という点です。

つまり焼酎のペアリングは、
・料理を主役にしない
・焼酎を中心に据える
が良いといえそうです。
焼酎は「料理を食べる酒」ではなく、「料理とともに味わうお酒」といってよいでしょう。

まとめ|焼酎に合う料理は、うまさより“暮らし”から生まれる

焼酎に合う料理とは、高級である必要も、凝っている必要もありません。
むしろ、「素材の味」、「旨味の蓄積」、「生活の知恵」の中から生まれた料理こそが、焼酎を最もおいしくします。

焼酎ペアリングに迷ったら、「鹿児島の食卓ならどうするか?」そう考えると、答えは自然と見えてきそうですね。

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