焼酎と柚子の素敵な出会い!健康から美容まで一挙にご紹介
焼酎に柚子など柑橘系の果物をプラスすると、すがすがしい味わいが楽しめます。焼酎に合う柑橘類としてはレモンやライムが一般的ですが、今が旬の柚子なら、焼酎をグッと一歩踏み込む、爽やかな香味を添えてくれます。焼酎と柚子の出会いの魅力をご紹介します。
目次
日本の食文化に欠かせない果実
柚子の原産は、中国の揚子江上流地域と言われています。
日本に渡来したのは、奈良時代。
他の多くの文化や作物同様、朝鮮半島を経て渡来したようです。
以来、柚子のさわやかな香りと酸味は調味料や薬味として親しまれ、今では焼き魚やフライなどの香りづけ、鍋料理のポン酢、洋菓子類の香りづけに使われ、日本の食文化に欠かせない果実になっています。
また、来たる冬至(12月22日頃)には柚子風呂に入る江戸時代からの風習があり、血巡りをよくして疲れや痛みを緩和したり、肌の保湿力を高めたりするのに役立ってきました。
日本を代表する柑橘系の果実
日本には、柚子、すだち、カボス、ダイダイと柑橘類の果物が多いです。
マニアックなところでは、ユコウ、キズ(木酢)、オオユ(大柚)、トコス(常酢)など、主に西日本で生産される柑橘類もあります。
海外といえば、ほとんどがレモン、ライムが主力であるのに対し、日本は驚くほどの豊富さだといえます。
ところで、一般に柑橘系含む果実類は、未熟のときは、果皮は緑色であり、成熟が進むにつれて着色します。同時に、果汁の酸っぱさ(酸度)は減少し、甘み(糖度)が増します。
多くの柑橘類は、酸っぱさを求められていますので、酸っぱさが残る緑色の時に収穫されます。すだちやカボスのように。
一方、柚子の最大の特徴は、成熟しても利用できること。
柚子は成熟して黄色となっても酸度はほとんど減少せず、糖度が増えることはないのです。
世界的に見て、成熟期に酸度が高く、糖度が低いという柑橘類はレモンとライム。
つまり、日本に柑橘類は数あれど、世界のレモンとライムと肩を並べられるのは柚子だったのです。
柚子は健康成分の宝庫
柚子には、三大健康成分があるといわれており、それは、
・ヘスペリジン
・ナリンゲニン
・オーラプテン
といいます。
この三大健康成分は、動脈硬化をはじめ、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こすメタボリックシンドロームの予防に効果的と言われています。
なので、柚子は、内臓肥満に加え高血糖・高血圧・脂質異常症に悩む中年男性には是非、取り入れていただきたい食材の筆頭。
さらに、三大健康成分に加えて、リモネンやリモニンといった香り(精油)成分もあります。
リモネンは、柚子風呂に入る時に感じる、リラックス効果の主成分として有名。
その理由は、ギャバという神経伝達物質の分泌量を増やすため、といわれています。
(参考図書:「農家が教えるゆずづくし」2021年 農山漁村文化協会 : 平柳要医学博士)
柚子は美容にも効果的
老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用によって、しわやたるみの発生を抑えるビタミンC。柑橘類の中でも、柚子の果皮が最も多いとされており、レモンの3~4倍!といわれているほど。柚子は美容にも効果的なのです。
また、柚子の種を焼酎漬けにした「柚子ローション」は、昔から女性の間で有名です。
柚子の種には、ペクチンという水溶性食物繊維が豊富です。
それを焼酎漬けにすることで、ペクチンが溶け出し、ヌルヌルした感触が特徴のローションが出来上がります。高い保湿力があり、手足のひび、あかぎれ、肌荒れに効果的があるといわれ人気です。
柚子割り? 柚子焼酎? 柚子酒?
そんな柚子と焼酎の出会いは古く、昔から相性が良いとされてます。
ただ、楽しみ方も様々。整理してご紹介しようと思います。
柚子割り
柚子割りは、ロックやお湯割りにした焼酎に、柚子を入れて飲む楽しみ方です。
特にすっきりした口当たりの麦焼酎と、相性が良いと言われています。
実際、麦焼酎で有名な大分県では、名産品である同じ柑橘類であるカボスを入れて、焼酎を飲むのが一般的。麦焼酎を柑橘類で割ると一層すっきり感が増します。
また、柚子風呂を代表するように、柚子は温めるとアロマ効果が期待できます。
お湯割りにして飲むと、ゆっくり心安らぎのひと時が楽しめるハズ。
柚子割りよく会う焼酎3選
【吉四六(きっちょむ)】
言わずと知れた、大分麦焼酎の代表銘柄で、焼酎ブームのきっかけを作ったといわれています。ライト感覚あふれる魅力的な麦焼酎で、炭酸で割った、「焼酎ハイボール」でも十分楽しめます。
当酒蔵のベンチマーク焼酎である「むぎ焼酎 二階堂」をペースに熟成。
ネーミングは、大分で有名な民話の主人公の愛称が由来です。
麦由来のパンが発酵したような爽やかな香りと、柚子の穏やかな酸味が見事に調和。
軽快感とフレッシュ感を膨らむように楽しめます。
【武者返し(むしゃがえし)】
米焼酎で有名な、熊本県の球磨焼酎の有名銘柄。減圧蒸留が多い当エリアにおいて、常圧蒸留で製造しており,より複雑な味わいが魅力的な米焼酎。
時間をかけた手作業と2年間の貯蔵熟成で、輪郭はしっかりしながら、まろやかな風味が身上。原料には地元産のヒノヒカリの新米100%を使用しています。
ナッツや、きな粉など熟成由来の香りが、柚子と見事なマッチング。
お湯割りや熱燗にして、柚子を浮かべても良いかも。
〈銘柄データ〉
武者返し(むしゃがえし)
寿福酒造場/熊本県人吉市田町28
主原料/米(ヒノヒカリ)
麹/白麹(米)
度数/25度
蒸留/常圧蒸留
【伊佐小町(いさこまち)】
当銘柄は、「黒伊佐錦」で有名な大口酒造の女性社員チームが監修した芋焼酎です。
原料には、2003年(平成15年)に命名登録された「ハマコマチ」という新種のサツマイモを使用。麹の掛け米には地元産のブランド米である「伊佐米」を使用。その2つの原料がネーミングの由来です。ハマコマチをイメージしたラベルの通り、香りは白い花、オレンジなどの柑橘系の香りが特徴。
柚子との相乗効果で、ふんわり穏やかな飲み心地が楽しめます。
〈銘柄データ〉
伊佐小町(いさこまち)
大口酒造/鹿児島県伊佐市大口原田643
主原料/芋(ハマコマチ)
麹/白麹(米)
度数/25度
蒸留/常圧蒸留
柚子焼酎(焼酎漬け)
蒸留酒である焼酎の特徴を生かした柚子焼酎。
焼酎に、カットした柚子を1週間ほど焼酎を漬け込みます。
焼酎割よりも、柚子の濃厚な味わいと、健康と美容に効果のある成分が丸々抽出できそう。
では、柚子焼酎レシピをご紹介します。
今回は、麦焼酎の「二階堂」で作ってみました。
柚子焼酎レシピ
【材料】1人分
・柚子・・・・・5個
・焼酎・・・・・1本
1.柚子を丁寧に水で洗います。ここで、しっかり汚れを落とさないと、不純物が浮いたりしますので、要注意
2.ジャーを用意して、半分カットした柚子をジャーに入れます。
3.ジャーの中に焼酎を注ぎ入れます。
4.1週間ほど漬け込んだら完成。
今回は、角砂糖を入れずビターに仕上げました。
意外に簡単ですので、皆さんも是非トライして見てください。
柚子酒
柚子酒は一般的に酒販店で販売されているお酒。
焼酎は酒税法によって、明確な原料の使用を定義付けされています。 添加物は2%未満しか認められていませんので、柚子酒はリキュール扱い。
かつ、ターゲトットもライト層なので、度数が7%前後と低めなのが特徴。
そのまま冷やしてストレート、またはロックがオススメです。
まとめ
料理の香りづけにとどまらず、健康から美容まで生活に潤いを与えてくれる柚子。
焼酎と出会っても、割ってよし、漬けてよし、足してよし、の三拍子揃った優れものでした。
みなさんも、好みの方法で、柚子の力を体に取り込んでみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
SHOCHU PRESS編集部
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