1. HOME
  2. 焼酎を味わう
  3. 焼酎の飲み方
  4. 焼酎梅干し割りを楽しむ その二
焼酎梅干し割りを楽しむ その二の画像

焼酎梅干し割りを楽しむ その二

焼酎の梅干し割りはなぜ愛されるのか。
焼酎の飲み方としては、約8割の認知率があるという圧倒的な知名度を誇る梅干し割り。
前回に引き続きその魅力に迫ってみたいと思います。

焼酎梅干し割りを楽しむ

前回は梅干しや焼酎それぞれの効能や相性について紹介いたしました。
今回は実際に飲む場合のレシピや美味しさについて検証したいと思います。

梅干しにこだわる

梅干しの基本は塩漬けですが、それを食べやすいように味付けをしたものや、原料や加工にこだわって付加価値を高め高級品としたもの等、その商品はバリエーションに富んでいます。

昔ながらの梅干しの画像

昔ながらの梅干し

昭和の時代あたりまでは、夏に梅が干してある光景をよく目にした方も多いのではないでしょうか。
焼酎と塩に漬けた梅を、赤紫蘇で色と風味をつけて土用の丑の日から天日干しをする。
これも日本の伝統的な食文化の一つです。

カツオ梅干しの画像

カツオ梅干

梅干しに鰹節の旨味を加えて、ご飯のお供やおにぎりの具などに使いやすくしたのがカツオ梅干です。

はちみつの画像

ハチミツ梅

現在、最も食べやすい梅干しがハチミツ梅ではないでしょうか。
酸っぱしょっぱい梅干しにハチミツを加えたものです。
塩分が少なめなのと、ハチミツという健康食品が入っているので女性や子供、万人に好まれる味わいです。

白干しの画像

白干し

シンプルに塩だけで漬けたものが白干しです。
添加しているものがない分、塩分が高めになっていますが、梅本来の味を楽しめます。

梅恋心の画像

名品と言われる梅干し

一粒ずつの個包装、ネーミングからこだわっていますね。
こちらは、浅草の梅林堂さんのハチミツ梅です。
梅は紀州の梅を使用しています。

名品梅の画像

ここまでくると和菓子のようです。
限りなく柔らかな皮に包まれた滑らかな果肉、上品なハチミツの味を梅の酸味と塩味がさっぱりとした後味に仕立てています。
このままお抹茶と一緒にいただくのが良いでしょう。
勇気を持って梅干割りにできた方に感想はお任せしましょう。

一粒4000円近くもする高級梅干しもあるくらいですので、こだわるとキリがありませんね。

カリカリ梅の画像

カリカリ梅&種ぬき干し梅

変わり種として、カリカリ梅や干し梅などの嗜好品があります。
口寂しいときに食べるガムの代わりであったり、お菓子の代わりに食べる人もいると思います。
梅干しをモチーフにした商品は意外にも数多く、驚かされます。

カリカリ皿ねの画像

これらを焼酎に入れてみるのもまた面白いですね。
最初に焼酎の中に入れて、味が滲み出てくるのをある程度楽しんだら、梅を取り出しておつまみのように齧りながらいただくのがオススメです。

梅干しと相性の良い焼酎

前回記述していますが、焼酎には、風味が少なくクセの少ない甲類焼酎(連続蒸溜で造る焼酎)、芋や麦、米など原料由来の味や香りを楽しめる乙類焼酎(単式蒸溜で造る焼酎)があります。
お店で提供される梅干し割りは、甲類焼酎が多いと思います。
これはコストパフォーマンスの意味合いもあるでしょうが、万人に受け入れられる味覚ということ、梅干しの味をストレートに味わえるという意味も含まれているともいます。

ここでは焼酎の種類をいくつかピックアップして紹介します。

麦焼酎の画像

麦焼酎との相性

麦焼酎は上質なスピリッツのようなフルーティーな香りがあり、クセもないので梅干しの味わいを感じられます。
ロックでいただいても、カツオ梅干やハチミツ梅の味わいが深く感じられ、白干しの塩味はまろやかに体にすっと馴染みます。
お湯割りにすれば、それぞれの梅の香りが高くなり、味付け梅の個々の特徴を明確に感じとれます。
また、それぞれの焼酎の中で、梅干しの塩味を最も引き出したのは麦焼酎でした。
長い時間、梅干し割りを楽しむには良いと思います。

川辺の画像

米焼酎との相性

米焼酎はお米のエキスを蒸留したものなので、馴染みの米と梅干しの組み合わせとなり合わない訳がありません。
中でも最も力を発揮するのが白干し梅。
ロックでは味わいが滑らかになり、塩味が心地よく感じられます。
お湯割りにすると、その塩味と酸味が実にまろやかになり、おすすめの飲み方です。
カツオ梅干も風味が立ち上がり、旨味を引き出すので、食事と共にいただくのが良いでしょう。

黒霧島の画像

芋焼酎との相性

芋焼酎は香り、味と共に個性が強いので、一見梅と合わないかと思うかもしれませんがしっかりと調和します。
特にハチミツ梅は、芋の香りがやさしくなりほっこりとします
味変を楽しむという意味ではおすすめです。
旨味の強いカツオ梅干は、種類によっては個性がぶつかるかもしれませんが、独自の味を見つけるという見地では面白いでしょう。

焼酎にこだわるの画像

甲類焼酎との相性

元々サワーなどの割りものに使われることも多いので、どの梅干しでも合います。
梅干しと焼酎のどちらもバランスよく馴染み、すっきりと飲みやすくなります。
特にカツオ梅干は香り、味とともに旨味が強くなります。

ハイボールの画像

缶酎ハイ

これまでも柑橘系の割りものの缶酎ハイは数多くありましたが、「ハイボール」という名称でドライな缶酎ハイも販売されています。
さりげなく、梅干し割りも登場していました。
TAKARAの梅干し割りハイボールは、ほのかに梅の香りがし、お酒が好きな方好みの梅干し割りになっています。

男梅の画像

男梅

ガテンなサワーが出てきました。
左の「新」はアルコール度数5%ですが、「超」の方は9%です。
味もガッツリ梅の味強く、これは病みつきになりそうです。

飲み方にこだわる

焼酎の飲み方としては、ストレート・ロック・水割り・お湯割り・ソーダ割りがあります。
どの飲み方が一番美味しいかと言われれば、それはもう好みです。

ストレートとロックは、梅干しの香りをストレートに感じられます。
水割りは、その味がじわじわと滲み出てくる時間に浸れます。
お湯割りは、焼酎の香りと共に梅干しの香りが立ち、アロマな瞬間を堪能出来ます。
ソーダ割は、炭酸の喉越しとその温度の心地よさを活かしながら、炭酸の刺激で梅干しの味を早い時間から抽出出来る良さがあります。

季節、体調、食事やその場のシチュエーションによっても変わりますので、その瞬間をそれぞれの飲み方で味わってみてください。
紫蘇はどうするの画像

梅干しは潰すのか、紫蘇梅の紫蘇はどうする?

さて、飲み方の基本として、梅干し割りを出されたときに梅干しを潰すか潰さないかと迷う方もいらっしゃるかと思います。
これにはルールはありません。

そこに入っている梅干しにより、香りや味わいは変わりますし、それもそれぞれの好みで召し上がってください。

また、市販の紫蘇梅干に付いている紫蘇はどうするか。
もちろん紫蘇も一緒にグラスの中に入れても良いでしょう。

試しに紫蘇だけを入れて割ってみてください。

梅干しは酸味がきついという方にはおすすめです。
爽やかな香りが立ち、柔らかな飲み心地が心身をリフレッシュさせてくれます。

割り方色々

梅シロップの画像

梅干しのジュース

梅干しのシロップというものも販売されています。
濃縮された梅の味に甘さが加わり、濃醇な味わいになっています。
純粋な梅干し割りではありませんが、サワーとして飲むには便利ですね。

炭酸割りの画像

炭酸割り

焼酎を割るものには、氷・水・お湯・炭酸があります。
特に炭酸は種類も多く販売されています。
中でも人気が高いのは、炭酸が強めの「ウィルキンソン」。

その炭酸自体に梅のフレーバーをつけているものも販売されています。

ウイルキンソン梅の画像

「三ツ矢 梅」は、フルーツ炭酸水としての梅バージョンで、クエン酸の疲労回復の働きをアピールしています。
「ウィルキンソン 梅」は、梅のほのかな香りがピュアな炭酸水のアクセントになっています。

梅干しの風味と炭酸好きには最も手軽な方法です。

まとめ

単に梅干し割りと言っても、焼酎の種類と梅干しの種類の分だけ飲み方のバリエーションがあります。
さらに、梅干しに関する商品が数多く発売されており、いかに日本人に梅干しが愛されているかも実感しました。
海外に行くときは、カリカリ梅を大量に購入するという知人の話も頷けます。

その他に、水や氷にこだわればキリがありませんが、焼酎に風土が反映されているように、ご自分の好みに最も合った梅干しや水を見つける味覚の旅をしてみるのも良いでしょう。

この記事を書いた人

森 由佳

森 由佳

食事とお酒を美味しく食べて飲めることを、人生の後半戦の目標に掲げています。家には常に焼酎のボトルが鎮座しているという環境で育ち、焼酎愛飲歴たっぷりのライターです。ざっくりとした視点で焼酎を語ります。

このライターの記事一覧 ライター一覧へ

人気の記事