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食中酒とはつまり?の写真

焼酎のペアリングとは?

ベアリングとは
最近、ペアリングという言葉をよく耳にします。

ヨーロッパ、例えば食文化の発達したフランスでは、料理の提供方法が多様です。
多様というより、多皿。
前菜から始まりメインディッシュ、そしてデザートという流れですが、前菜の中でも冷たい前菜、温かい前菜があったり、主菜も魚だったり、肉だったり・・・
だいたい6皿くらいは想像できてしまいます。

これだけ多様(多皿)だと使用している食材も豊富。
ワインボトル一本では勿体無いですよね。
前菜は始まりなので軽め、メインディッシュは重めのもの。
メインディシュの魚には白、肉には赤、とこだわりたい。

ペアリングというのは、それぞれの料理にあった最適なワインを、ボトルではなくグラスでどうぞ、といった新しい飲食の楽しみ方スタイルなのです。

食中酒とは
そのワイン。食事の最中に飲むお酒なので、食”中”酒と呼ばれます。
ワインの生産地であるフランスやイタリアなどでは、食”中”酒といえばワインというのはほとんど決定事項。
それはレストランなど飲食店に限らず、お家においても食事中はワインを飲みます。

そして”中”があるなら当然、”前”と ”後”もあります。
それでは”前”と ”後”を具体的に説明します。

まずは,”前”である食前酒。

胃を刺激するための飲み物で、これから食事に挑む!いわばエピローグ的な存在。
カンパリやチンザノなどのリキュールをベースにレモンなど柑橘系を絞ったり、炭酸で割ったり。
前菜が提供される前に飲むものです。

そして、”後”の食後酒。
ブランデーやカルバドス、ウイスキーなどの蒸留酒です。
西洋料理が供される時間は平均2時間と言われてます。
その2時間のホイッスルが吹かれた後にリラックスして飲まれるのが通常。

このルールは意外と頑固です。
食中酒にワインしか出さないのはもちろんとして、もっとすごいエピソード。
東京の超有名老舗フレンチレストランには、食前酒として相応しくないとして、なんと、ビールがない!
「とりあえずビール」が通用せず、ビールは食前酒でもなく、”中”でも”後”でも登場できないのです。

 

焼酎はいつ飲むのなの???
ところで、このルールからすると焼酎は食後酒ということになります。蒸留酒なので。

えっ?待ってください。
私たちは焼酎をお刺身や、肉料理と”ペアリング”しているじゃありませんか。
それも、角煮には「富野宝山」をロックで、白身の刺身には「月の中」をお湯割りで、とガチスタイル。ワインは基本的に常温ですが、本格焼酎ではロックやお湯割りなど、「飲み方スタイル」も違っている気がします。

蒸留酒を食中酒としているのは、日本だけ?
食後酒を”ペアリング”して楽しんでいる日本の食文化は、未熟なのでしょうか。
そもそも、蒸留酒を食中酒としているのは、日本だけなのでしょうか。
他の国を調べてみることにします。

まずアジア。
中国は白酒(ぱいちゅう)という蒸留酒が、食中酒として一般的に飲まれています。
中国はフランスと同様に食文化が豊かですが、”ペアリング”を楽しむよりも、料理を味わうことを優先。
料理の消化作用を促進させるための「機能化」に収斂させるため、蒸留酒が飲まれるようになったと思われます。
中国のお酒といえば日本では、醸造酒の紹興酒が有名。
ですが、意外にも中国国内では地方のお酒と認識されていて、ポピュラーなものではないようです。

韓国では、清酒や濁り酒も飲まれますが、食中酒としては焼酎がよく飲まれています。
バリエーションには、やかんに焼酎とキュウリをいれる「キュウリ割り」がお馴染み。

次は、西欧以外とロシア。
ロシアやポーランドも、蒸留酒であるウォッカが食中酒です。
ロシアは、長い冬の寒さをしのぐために高アルコール度のものを飲み、体を早く温める、
という中国とは違った”機能化”によるものです。
これは、北欧にも見られます。
彼らは、チェイサーとしてビールを飲みますが、アクアヴィットというお酒を食中酒として飲みます。

最後に、中南米
ブラジルはカシャーサという蒸留酒を使ったカイピリーニャが食事とともに飲まれています。

セビーチェ発祥の国である、南米一のグルメ国ペルーでも、ピスコサワーという、
これまた蒸留酒ベースのカクテルが食中酒として大人気です。

メキシコの蒸留酒は、テキーラが有名。
日本でもパーティータイムのお酒として不動の人気者ですね。
そして、なんと、このテキーラも食中酒だったのです。不思議な一致ですが、北欧と同様にチェイサーとしてビールを一緒に飲むのです。年間平均気温が真逆であるのに関わらず、です。

以上の通り、実は、世界の大半は蒸留酒を、食中酒として飲んでいるのでした。

世界のごく一部の国々と階層の”my”ルール
では、どうしてヨーロッパでは、蒸留酒は食中酒ではないのでしょう。
14世紀から15世紀に蒸留酒は誕生しますが、最初は薬として扱われていました。
その呼び名は「生命の水」。
冷えた体を温めたり、病んだ体を麻痺させるのに「生命の水」は重宝されたのです。
また、当時はペストが猛威を振るっていましたので、「生命の水」は予防のために飲まれていたのです。
そのような時代背景から、ワイワイ食事と楽しむのはワインに譲り、食後、リラックスして楽しむのが蒸留酒となったのです。

蒸留酒を食後酒にしているのは、世界のごく一部の国々と階層の”my”ルールだったのです。

では何故、このルールが広く知られているか。
その答えは簡単。
世界のフォーマルな飲食シーンにおいて、フランス料理がもっとも選択されるだからです。

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