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大分の麦焼酎とは? | その特徴から、おすすめの飲み方までご紹介します

1970年代後半から日本中で大分の麦焼酎が人気となりました。クリアでさっぱりした味わいが人々の心を捉えたのです。今日のように焼酎が全国的に定着した要因の1つには、大分の麦100%焼酎の存在があります。
今回は、そんな大分の麦焼酎の特徴から、おすすめの飲み方までご紹介します。

大分の麦焼酎の特徴の画像

大分麦焼酎の特徴

大分の麦焼酎の特徴は、麹の原料に麦が使用されていること。麦100%焼酎または、全量麦焼酎と呼ばれています。
麹は、麦に含まれるデンプンを糖に変える際に使います。一般的に麹の原料はお米が多いですが、麦を使用することで、その風味が焼酎に色濃く反映されます。

麦焼酎とウイスキーの違い

麦を原料にした蒸留酒といえば、ウイスキーが有名。ウイスキーは麦のデンプンを糖に変える際は「麦芽」を使います。この点が、麦焼酎とウイスキーの違いです。

二条麦の画像

大分焼酎の歴史

大分は、古くから米や麦など多くの作物が豊かに実ることから「豊の国(とよのくに)」呼ばれていました。九州山系に端を発する幾多の水系があり、清流となって大地を潤し海に繋がっています。この豊かな自然と大地の恵みを受けて、多くの日本酒や醤油、味噌等の醸造業が営まれてきました。

もともとは日本酒が主流

大分のお酒造りは、もともと日本酒が主流でした。とりわけ有名なのが、豊臣秀吉が好んだといわれる濁酒(どぶろく)の一種である麻地酒(あさじざけ)。また、日本酒造りの搾り粕を使った「粕取焼酎」や、白糠、米等の穀類を原料とした焼酎が造られていました。

麦焼酎の産地になったのは焼酎ブーム

大分が麦焼酎の産地として有名になったのは、1973年(昭和48年)、二階堂酒造が麦麹を使用した麦焼酎を開発したがきっかけです。「麹も主原料もすべて麦」という麦100%焼酎は、大分焼酎のスタイルを確立。その後、三和酒類が「いいちこ」を発売して、全国的な本格焼酎ブームを巻き起こしました。

2007年には、「大分麦焼酎」、「大分むぎ焼酎」として、地域団体商標(地域ブランド)に登録されます。

減圧蒸留とはの画像

大分の麦焼酎のもう一つの特徴

大分の麦焼酎の味わいは、クリアでさっぱりしていること。その理由は、減圧蒸留を採用しているためで、大分の麦焼酎のもう一つの特徴といってもいいでしょう。

減圧蒸留とは

「二階堂」や「いいちこ」は、減圧蒸留で作られています。減圧蒸留というのは蒸留法のひとつで、ほかには常圧蒸留があります。この二大銘柄の減圧蒸留に対して、鹿児島や宮崎など古くから焼酎造りが盛んな地域では常圧蒸留が主流です。

蒸留器内を通常の気圧で蒸留することを常圧蒸留といい、蒸留器内を真空に近い状態まで気圧を下げて蒸留することを減圧蒸留といいます。減圧蒸留では40℃~50℃くらいで沸騰させるので、クリアでさっぱりした焼酎に仕上がります。

兼八の画像

二大銘柄以外の大分の麦焼酎

大分の「二階堂」と「いいちこ」の二大銘柄は、焼酎のイメージを一新して1970年代後半に焼酎ブームを巻き起こしました。今では二大銘柄の麦焼酎は、日本国中のコンビニで見かけます。

常圧蒸留の大分の麦焼酎

大分の麦焼酎は二大銘柄だけではありません。焼酎ブームが落ち着いて本格焼酎が定着すると、これまで苦手とされてきた香りや味わいが個性として支持されるようになります。大分の麦焼酎もクリアな減圧蒸留ではなく、常圧蒸留を使ったコクのある麦焼酎が作られるようになります。

麦の個性を活かした大分の麦焼酎

大分の麦焼酎の原料は輸入した麦を使っています。外麦(そとむぎ)と呼ばれ、オーストラリア産が主流。ところが最近では、原料の個性を活かした地元産の麦焼酎があります。大分には麦の産地として有名な宇佐平野があり、ここで栽培された麦を使った麦焼酎が作られるようになりました。

大分の麦焼酎の飲み方の画像

大分の麦焼酎の飲み方

大分の麦焼酎はクリアでさっぱりした味わいが特徴。飲み方のおすすめはハイボールとロックです。

ハイボール

焼酎のハイボールといえば、甲類焼酎を使ったチューハイが有名ですが、大分の麦焼酎のさっぱりした麦の香りには、ハイボールが良く合います。

ロック

麦のおだやかな味わいを楽しむには、やっぱりロックです。時間の経過とともに氷が溶けるので、アルコール度数の変化も楽しめます。大分の特産のカボスを加えたら爽快感もアップ。

まとめの画像

まとめ

クリアでさっぱりした味わいで、誰でも楽しめる大分の麦焼酎。
1970年代後半の焼酎ブームを巻き起こした理由は、麦100%と減圧蒸留にあったのでした。
二大銘柄以外の焼酎も、常圧蒸留や国産麦の使用など進化は続きます。
今後も、大分の麦焼酎からは目が離せません。

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