焼酎カクテルを作ってみよう 〜本格焼酎で作る割りもの色々編〜
長きにわたるコロナ禍のトンネルの先にの、少しは明かりが見えてきたのでしょうか。
先日、繁華街にある居酒屋に行ってきました。
若者にも人気の瀟洒な街中の路地裏にある、本格焼酎を置いているセンスの良いお店です。
焼酎やお料理の美味しさはもちろん、焼酎の割りものの目新しさに惹かれました。
お茶割りだけでも
・ジャスミン茶割り
・こうばし緑茶割り
・黒文字茶割り
・白葡萄ジャスミン茶割り
と豊富なラインナップ。
さらに割りものとして、単なる素材を使うだけでなく、地域性のある野菜を使用している事にも興味を惹かれました。
そこで注目したのは
・〇〇さんちの島レモンサワー
・シャーベットレモンサワー
・綱島サワー(シソのピクルス割り)
定番の梅干しや生搾りグレープフルーツもありましたが、こういうメニューの提示をされると、どれも注文してみたくなります。
全部をいただけるわけでもないので、自分でも作って見ることにしました。
お茶割りを作ってみよう
お店でお茶割りを注文すると、甲類焼酎にペットボトルのお茶で割ったものが提供されることが多いですね。
丁寧に茶葉から入れたものと本格焼酎で割ると、味わい深いものになります。
そこで、我が家にある茶葉を集めてみました。
お茶の種類は
上段左から:抹茶 蕎麦茶
中段左から:緑茶 黒番茶
下段左から:麦茶 野草茶 番茶
早速、お茶割り開始です。
お店のメニューにあった「黒文字茶」も黒文字という木を中心に野草をブレンドしたものです。
黒文字は高級楊枝として使われ、清々しい香りを持った低木です。
地域で採れる野草をブレンドしたお茶は、多くの種類が販売されていて、それぞれに香りや味に、または効能に個性があります。
お茶割りの味
お茶を美味しく淹れるコツは茶葉により異なりますが、あまり神経質にならずに、コーヒーや紅茶を淹れるくらいの感覚で茶葉の美味しさを抽出してください
グラグラと沸騰したお湯を使うと折角の香りや旨味が飛んでしまうので、少しだけお湯を冷ましてお茶を入れ、たっぷりの氷で冷やしてください。
●抹茶わり
茶葉の中でも抹茶は敷居が高そうですが、急須いらず、簡単に扱えます。
ティースプーン1杯の抹茶をぬるめの少量のお湯で解いてゆきます。
写真では茶筅を使用していますが、マドラーや小さなホイッパーで丁寧に混ぜればオッケーです。
味を見て、苦いかなと思う程度の濃いめのお抹茶に、たっぷりと氷を入れて、お好みの本格焼酎を注いでください。
麦や米などの焼酎で割ると、フレッシュな味わいになり、抹茶の苦味が甘味を伴い上品な焼酎割りになります。
芋などの甘味と香りのある焼酎で割ると、焼酎の個性が際立ち、深い味わいになります。
●茶葉で抽出
茶葉は、急須でじっくりと旨みを抽出することが理想です。
でも、お酒をいただくことがメインですので、お茶パックや茶漉しを使って手軽に淹れてしまいましょう。
焦らずに、1分ほど浸しておくとより美味しくなります。
本格焼酎をお茶割りにしてみると、お茶と焼酎のお互いの力を感じます。
日本の風土から生まれたもの同士の力強さ。
どの焼酎でもそれぞれの味が際立ち、美味しくなります。
中でも、蕎麦茶には蕎麦焼酎と、同じ素材から作られたものは完成度が高いですね。
ちなみに、私は蕎麦屋でいただく、「蕎麦焼酎の蕎麦湯わり」が大好きです。
新鮮野菜を使って割りものを作ってみよう
お店でのメニューにあるように、液体の割りものでなく、一手間加えた野菜で割る事も新たな発見でした。
地元の産物を使った味や、町おこしの味
レモンサワーは割りものとしては鉄板ですが、生のレモンを丸ごととなると、皮に含まれる防腐剤など気になります。
そこで、国産のレモンとなれば、防腐剤無使用のものが多く流通しているので安心して使えます。
何より、国産のレモンは不思議と優しい酸味で、味が違います。
また、綱島サワーは紫蘇のピクルスと炭酸で割ったものです。
横浜の綱島という地域の町おこしとして誕生したもので、特に紫蘇の産地というわけではないようです。
何はともあれ、美味しかったものを、自宅で再現してみようと思います。
国産レモンを使って
国産のレモンが手に入ったら是非やってみてください。
●氷結レモン
よく洗ったレモンの皮の水分を拭き取ったら、櫛形に切ったレモンを冷凍してください。
解凍しても、食感が変わることも劣化することもないので、料理や飲み物にも使いやすく便利です。
氷結なので、氷は入れません。
お飲みの焼酎で水割りを作り、そこに氷結レモンを入れるだけ。
炭酸を入れると、ガスの効果で、レモンの味と香りが広がります。
このゆっくりと味変する過程が氷結レモン割りの醍醐味です。
最初は好みの焼酎の水割りをそのまま堪能し、少しずつレモン味が加わると、本格焼酎の香りがより締まってきます。
焼酎好きの私は、レモンが溶けだしたあたりからは、水割りにはせず氷結レモンロックにしてしまいます。
●塩レモン
塩レモンの作り方については諸説ありますが、私が最も使いやすいと思っているのは、2ミリ程度の銀杏切りにしたレモンをそのまま塩漬けにすることです。
煮沸消毒した瓶に、レモンを入れて、表面を覆うくらいの粗塩を入れます。
レモンから水分が出てきたら、軽く揺すって10日程漬けたら出来上がり。
気温によっては冷蔵庫で保管してください。
飲料にはもちろん、料理にも重宝します。
塩レモン割りは炭酸を入れても良いですが、まずは水割りで味わってみてください。
「塩とレモン」を想像すると、しょっぱいと思われますが、漬け込むことで驚くほどまろやかに変化します。
レモンに旨味が加わるのです。
こちらは、麦焼酎で割ってみてください。
少しの塩味が、焼酎の味とアルコールを際立たせ甘みを引き出します。
その後に後を引くレモンの爽やかさ。
これは病みつきになりそうな味です。
強いて言うならば、思いっきり爽やかにした梅割りのようです。
塩分とビタミンたっぷりの塩レモン割りは、これからの暑い季節にぴったりな飲み物です。
紫蘇のピクルス作り
夏の料理に紫蘇は欠かせない薬味。
束で購入して薬味で数枚使った後、持て余してしまうようなら、「紫蘇のピクルス」を作ってみてください。
通常、ピクルスを作るときは何らかのハーブを入れますが、この場合は紫蘇自身がハーブなので、必要ありません。
材料は、紫蘇の葉が浸かるくらいのお酢と、小さじ半分の砂糖だけです。
お酢は穀物酢でも構いませんが、リンゴ酢を使うとよりまろやかな味わいになります。
或いは、キュウリのピクルス等、市販の物が手元にあったら、その汁をそのまま使う方法もあります。
その場合は漬け汁が甘いので、酢を足してください。
こちらも1週間ほど漬ければ完成です。
●綱島サワー
綱島サワーは、お好みの焼酎を炭酸割りにして、紫蘇のピクルスを3、4枚入れるだけです。
これも好みの本格焼酎の味を楽しみながら、味変を楽しむ飲み物でしょう。
時間が経つほど紫蘇の香りが濃く、味が深くなります。
甘みを持った酢の味がまるで隠し味のように、焼酎の味を支えています。
途中で紫蘇をつまみつつ、お酒を楽しんでください。
口の中で爽やかな紫蘇の味が広がり、口中をリセットします。
お酒の味を、2度、3度楽しめます。
手元にはなかったのですが、紫蘇焼酎に紫蘇のピクルスを載せたら、さぞかし美味しいことと思います。
●そのほかの飲み方
キュウリをスティック状に切って、本格焼酎に入れてみてください。
意外にもキュウリと焼酎は合います。
麦焼酎とキュウリは、香りが同調してよりフレッシュになります。
芋焼酎に入れれば、キュウリの青臭さがゆるゆるとした焼酎に爽やかさを演出します。
まとめ
今回、久しぶりにお店に行き、新たな焼酎の割りものをの発見がありました。
焼酎割りはどんどん進化して、地域性や素材を活かした飲み方が広がってきているようです。
焼酎は日本の中でも、土地によって素材が違います。
その土地で出来た産物や、焼酎の素材を合わせてみると、美味しさの幅が広がるのは焼酎ならではの特性かもしれません。
まだまだ焼酎の割りものの世界は広がってゆきそうです。
この記事を書いた人
森 由佳
食事とお酒を美味しく食べて飲めることを、人生の後半戦の目標に掲げています。家には常に焼酎のボトルが鎮座しているという環境で育ち、焼酎愛飲歴たっぷりのライターです。ざっくりとした視点で焼酎を語ります。
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