焼酎のコーヒー割りで贅沢な時間を
最近、焼酎のコーヒー割りの美味しさに目覚めてしまいました。
そのきっかけは町の焼肉屋さんです。
焼肉屋でコーヒー割り?
肉の脂やタレの甘さと食べ物全体に漂うニンニクの味と香り、キムチ等の酸味と辛味にコーヒー割りとはちょっと想像がつきませんね。
ところが意外にも相性抜群。
コクとパンチのある料理に対しても、コーヒーの焙煎の芳香は決して負けず劣らず、料理の濃い味を包みこむようにして口内をさっぱりと仕上げてくれます。
レモンサワーやお茶割りの場合、柑橘類の酸味の強さやお茶の渋味で口内を一掃するのに比べて、コーヒー割りは個性的な料理と同調しつつ上品な余韻へと誘導します。
そこで今回は
「焼酎のコーヒー割り」について検証してゆきます。
目次
コーヒーと健康
一日に3杯程度のコーヒーを飲むのが体に良いという話はよく耳にします。
諸説ありますが、その主な効能をまとめてみました。
クロロゲン酸が肝機能や胃腸を整える
コーヒにはクロロゲン酸というポリフェノールの一種が豊富に含まれています。
このクロロゲン酸は抗酸化作用が強く、肝機能にも良い影響を与えます。
アルコールを飲む人は、肝機能の数値であるγ-GTPを気にしていませんか。
コーヒーを毎日飲む人が、飲まない人よりこの数値が10以上も低いという調査結果も出ています。
また、コーヒーを飲む習慣が尿酸値や血糖値にも良い効果をもたらすという研究レポートも発表されています。
つまり、肝機能の向上だけでなく、糖尿病や痛風の予防にも効果的であるということにもなります。
さらにクロロゲン酸は、胃の粘膜を刺激して胃酸の分泌を促進する働きもあるので、整腸作用があります。
焼肉を食べた時に感じたスッキリ感は、あながち間違いではなかったようです。
カフェインが二日酔いを予防する
アルコールを摂取すると、肝臓で分解される過程でアセトアルデヒドという有害な物質が発生します。
この物質は血管の拡張作用があるために、脳内の血管が拡張されて二日酔いの症状でもある頭痛が発生します。
コーヒーに含まれるカフェインは血管を収縮させる作用があるので、二日酔い予防の効果になるのです。
認知機能に朗報
コーヒーの成分であるクロロゲン酸は、アルツハイマー病に効果が期待できるという先行研究や、豆の焙煎により増えるピロカテコールという物質が認知症予防に重要であるという説もあります。
良いことずくめのコーヒー、お酒の後の一杯は体に良さそうです。
コーヒー割りの定義
焼酎のコーヒー割りとは、焼酎をコーヒーで割ったカクテル。
ベースに使用する焼酎は、風味の少ない甲類焼酎(連続式蒸留焼酎)が多く使われます。
コーヒー割りとコーヒー焼酎の違い
コーヒー焼酎は、焼酎のコーヒー割りとは作り方が違います。
コーヒー焼酎は焼酎にコーヒー豆を入れて、1週間程度漬け込みます。
コーヒーのフレーバーを抽出した焼酎なので、こちらも風味豊かで口当たりがよく、コーヒーを使った焼酎の人気の飲み方です。
コーヒー割りを味わってみる
コーヒー割りの材料
基本的には無糖を使います。
今回はドリップコーヒー・インスタントコーヒー・無糖の缶コーヒー・フレーバー入りのコーヒーで試してみようと思います。
焼酎4種で比較してみる
さまざまなコーヒーで割る前に、コーヒ割りにするにはどの焼酎が合うのかをまず検証します。
スーパーやコンビニで手に入り易い焼酎を集めてみました。
濃く入れたドリップコーヒーと焼酎を4:1の割合で作ります。
<宝焼酎>
原材料:サトウキビ糖蜜
ほのかな甘みとすっきりとした味わいの焼酎のため、コーヒーの味をストレートに感じます。
アルコールでコーヒーの濃度が深まり甘味が増したようにも思います。
<いいちこ>
原材料:麦
いいちこのフルーティーな香りは、コーヒーの焙煎された苦味やコクとよく合い、コーヒーを大人の味覚に格上げしたような感覚です。
コーヒーの味が強いと思いきや麦焼酎の味もしっかりと感じつつ、より香ばしくなっていることに驚きを感じます。
<黒霧島>
原材料:芋
芋焼酎の癖とコーヒーはどうなのだろうかと思っていましたが、思ったほど気になりません。
が、やはり芋焼酎はそのままが一番だと再認識しました。
<キンミヤ焼酎>
原材料:サトウキビ糖蜜
ホッピー好きの定番焼酎。
割りものとの相性は良いと思い選んでみました。
コーヒーの香りは薄まったように感じますが、味は優しく上品なコーヒーとなり、その後に残るアルコールと甘味が非常に心地よかったです。
コーヒー割りに合う焼酎は
私自身の感想としては、コーヒーの味を活かすならサトウキビ糖蜜、お互いの融合による変化を楽しむなら麦が良いように思います。
今回は選択肢に入れていませんでしたが、米焼酎とも合います。
米焼酎とコーヒー割りの記事はここ↓
今回は「キンミヤ焼酎」でコーヒー4種割りを試してみようと思います。
コーヒーの種類で味試し
それでは「キンミヤ焼酎」をベースにコーヒー割りを味わってみます。
コーヒは全てかなり濃いめに作りました。
コーヒーの材料により全く違う味になる
●ドリップコーヒー
前述したように、ドリップコーヒーの味を一層上品に仕立て、奥行きもあり舌に残る味まで楽しめました。
ブラックコーヒーかと思うほど、焼酎の甘味が強く相性の良さを感じます。
●インスタントコーヒー
インスタントコーヒーそのものは、酸味が前面に立つことが多いと感じます。
それがコーヒー割りになると、かなりの驚きを伴って変化します。
香りは強く、酸味が甘味に変化し、その味わいが全面に出てきて焙煎コーヒー並みの美味しさ!
コーヒーの味はあくまでもまろやかで、焼酎が味に深みを与えてくれます。
高貴な味です。
特にホットコーヒーにして割ると絶妙な味になります。
●ボトル(缶)コーヒー
缶コーヒーは各社が研究して売り出しているとあって、それだけで病みつきになる独特の美味しさを持っています。
どこまでも漂う濃厚な香りと、口に含んだ時に来る焙煎の深い味わい。
これらは焼酎を加えたところで微動だにしません。
恐るべし缶コーヒーとでも言いましょうか。
●ドリップコーヒーフレーバー入り
今回試したのは、シンガポール産のフレーバーコーヒーです。
開封した時から立ち上る甘い甘い香り。
正直合わないだろうなと思っていました。
ところがいざ作ってみると、コーヒー割りというよりも、まるで異国情緒漂う外国のカクテルのようです。
クラッシュアイスをたっぷり入れてガムシロップを少し垂らすとぐっとおしゃれになりそうです。
最初に焼酎はどこに行った?と思わせる味でしたが、喉をながれていった後にじわりと鼻腔に残るのはコーヒーフレーバーと渋みのある焼酎の香り。
こちらも新しい美味しさ発見でした。
コーヒー割りアレンジ
ブラックコーヒーをただ割るだけでなく、コーヒー割りもアレンジしてみると楽しいと思います。
●コーヒーフロート
コーヒー割りにバニラアイスを乗せたものです。
アイスを楽しむ、コーヒー割りを楽しむ、溶けて混ざったブレンドを楽しむという贅沢な飲み物です。
バニラアイスの代わりに、ミルクやホイップクリームを乗せても美味しそうですね。
呑兵衛さんのホームパーティーの締めに、デザートがわりにいかがでしょうか。
まとめ
コーヒー割りは、焼酎のコクとコーヒーの芳香が絶妙に合わさり、複雑かつまろやかな口当たりと、ほのかに舌に残る甘みが旨さの秘訣です。
飲みやすく、またクセになる風味です。
注意していただきたいのは、アルコールとコーヒーに含まれるカフェインにはどちらも利尿作用があり、それにより脱水と中毒作用があります。
口当たりも良く、濃い味の食事にも合うコーヒー割りですが、どうぞたっぷりの水分と共に楽しんでください。
コーヒーは体に良いことも沢山ありますが、くれぐれも飲み過ぎ注意を忘れずに。
この記事を書いた人
森 由佳
食事とお酒を美味しく食べて飲めることを、人生の後半戦の目標に掲げています。家には常に焼酎のボトルが鎮座しているという環境で育ち、焼酎愛飲歴たっぷりのライターです。ざっくりとした視点で焼酎を語ります。
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